2018年10月7日日曜日

不必要善 / 2018 発表会終了

終わってみれば台風の到来も信長まつりの喧騒も影響なく、
2018年の発表会が終了しました。

出演者の皆さま…猛暑の頃から入念な練習を重ね、緊張を堪えながら本番を終えるまで、本当にお疲れさまでした!

本番までの過程でできるようになったことや、様々な発見、
そして何より演奏して楽しかった!という瞬間を多々味わえて、私も嬉しかったです。


親友の父君ー自ら茶道具の記念館を営み大変な教養人であった方なのですがーのお言葉を思い出しました。

「世の中には『必要悪』というものが存在するけれど、音楽や美術というものは『不必要善』なものだよ。」

…ヘタクソな意訳だけれど、そんな主旨のことを仰ったと思います。

一般的に、音楽を含む文化に触れるということは、生活の最優先事項ではあり得ません。
音楽とは、生活の余白に生まれてくる「恩恵」であり、乱暴に言えば「社会生活上は不必要」なものだ、必ずしもなくてはならないものではない、と。


6角形はハロウィンモチーフのクモの巣

確かに…今私が仮に音楽をやめても、社会的には誰も困らないし、何一つ滞ることはありません。
それなのに、私たちが自ら楽器を手にする理由はなんなのでしょう?

もちろん、音楽そのものを愛していることもあるでしょう。

それに加えて私は思うのです。
「人間らしく(=その人らしく)生きられる」から、ではないか、と。

誰かの受け売りではなく、「自分の五感を」研ぎ澄ませること。
「自分のアタマで」納得し、考えること。
演奏を通じて、全身を精密に統合すること。
他人と合わせるのに必要な、繊細な協調性(センサー)を持つこと。

フルートを吹く上で、皆さんが実際行なっていることです。
コンピューターとか、スマフォとか、AIとかでは代用の効かない、人間らしい経験をする。
コレってスゴイことですよね?!

昨日皆さんの演奏を肌で感じながら、「人間らしく生きる」ことの素晴らしさ、
つまり皆さん各々における「不必要善」の素晴らしさを、改めて感じたのです。

ステキな時間を、ありがとうございました。

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