2022年11月28日月曜日

2022 クラスコンサート 終演

久しぶりのブログ更新となります。

今年もクラスコンサートが終演♪

今年は「発表会」から「クラスコンサート」という呼称に改めました。

「発表」という、どことなく堅苦しく感じる会よりも、

生徒さんが1曲1曲持ち寄って、音楽の花束にしていくような会にしたいと思ったのです。


アンサンブル るる のメンバー


音楽は楽しい、と言いますが

音楽が好きだと言うことと、自分が実際ステージに立つということは

だいぶ違うことだろう思います。

特にフルートのように、その時々の心身の状態が音になってあらわになる楽器では、

「楽しい」オンリーだけでは済まないということは、

多くの笛吹きさん達も感じていらっしゃるかもしれません。


Birthday Girl of the Day


終演後のスピーチでは、最後に演奏してくれた田中優衣さんのお話しをさせて頂きました。

看護師という常に緊張感と心身の消耗を伴うお仕事をされながら、

彼女には必ず辿り着きたい音楽、必ず手にしたい演奏というものがあって、

どれだけ自分を奮い立たせ練習を重ねたことか、想像に難くありません。

実際聴かせて下さったプロコフィエフは、

ロシア音楽の美しさを余すことなく語り、生命力に満ち、

皆さんも深い感動を覚えたことと思います。


Yui Tanaka

田中さんだけはありません。

きっと多くの生徒さんもステージに立つことで、

普段よりもエンジンをふかし、奮起して下さったのだろうと思います。

その喜びと奮起(努力とか苦労…という言葉は当てはめたくありませんが)の割合は

もしかしたら51:49というギリギリの線で参加して下さった方もいるかもしれません。


「姿勢と呼吸」見直さねば…

MGS大賞 / most ganbatta de show

それでも、こうした練習や本番を通じた達成感や、

フルートを通じて出会える仲間や楽曲があって、

そういう意味での楽しさが、「苦労」を上回ったとしたら、

このコンサートに集って下さる甲斐があるように思います。


そんなわけで、「あー良い会だったなぁ、出演する甲斐があったなぁ」

と思って下さったら、また来年皆で集いましょう。



今年は素晴らしいピアノ伴奏の先生方を4人(近藤麻紀、肥田詞加、矢野さやみ、藤永華乃各先生)、

そして優秀な若いピアニスト小坂音葉さんをお迎えすることができました。

ピアノ伴奏のおかげで、まったく違う次元へ飛翔することができます。

司会の醍醐加代子先生も同じく、コンサートをより生き生きとした場にして下さいました。

先生方には多大なサポートを頂き、心から御礼申し上げたいと思います。


初出演に備え準備を重ねていた伊藤玲子さんも、

来年はぜひご一緒しましょう。


発表会に出演する・しないに関わらず、全てのレッスンは私の元気のみなもと!

そのことに一番の感謝を込めて、クラスコンサートの終演報告とさせていただきます。


今年の記念品は高橋知世ちゃん作クリアファイル

2022年8月5日金曜日

Frei Aber Froh 自由に、喜ばしく

日中の気温が38℃に達した真夏日

大垣市の守屋多々志美術館のアウトリーチ事業で、同市内の興文中学校にうかがいました。


大垣市出身で歴史画の第一人者 守屋多々志

ウィーンに六段の調 (ブラームスと戸田伯爵極子夫人)』

という作品を残しています。

戸田極子(きわこ)伯爵夫人は、第11代大垣藩主 戸田氏共(うじたか)伯爵夫人で、岩倉具視の三女。

琴の名手だったそうで、夫が外交官としてウィーンに赴任していた折、

ブラームスの前で琴の演奏を披露としたという実話が残されています。

その回想場面を描いたのが、守屋多々志。

大垣とブラームスの意外な縁ですね。


このような本も出ているようです


ブラームスにフルートのための作品はないため、小品ではありましたが、

この機会を通じ必然的に彼の作品に取り組むことができて、嬉しかったです。


ブラームスについて調べていて、また作品を聴いていても、

「自由と孤独」というキーワードに行き着きました。

作曲家として世の中に認められてはいたものの、

定職を望むこともなく、結婚することもなく。

ブラームスは、何からも束縛されない自由な精神を貴んでいました。

それは同時に孤独感と表裏一体なものであっただろうと思います。

もっとも、”frei aber einsam" (=自由である、しかし孤独である)をモットーにしていたのは、親友であり当代きってのヴァイオリニスト ヨアヒムの方であり、ブラームスはこの親友のために F.A.E. (frei aber einsam)ソナタという作品を残しています。


ブラームスのモットーは ”frei aber froh" (自由に、しかし喜ばしく。)

なぜ "frei UND froh" と記さなかったのか、色々な見解があるようです。

”frei aber einsam” 自由だけど孤独でもあるよね、

aber froh それでも喜ばしく生きていこう、という

ヨアヒムのモットーを受けてのメッセージなのだろうと、私は固く信じるに至りました。

親友の肩を慰撫しているような、あるいは自分自身を鼓舞しているような、

そんな想いが何より作品から伝わってくるのです。



ブラームスは人づきあいが上手くなかったとされていますが、

うわべだけの言葉で表層的に大勢の人と付き合うのを好まなかっただけで、

本当に親しくなった相手にだけ見せる深い愛情があったのだろうと、察せられます。

私は若い時から彼の音楽が大好きだったのだけど、そういうわけか…と納得。


興文中学校文化部の皆さんや先生、美術館スタッフの方々にも熱心に聴いて頂けて

準備の時間も含め、佳い時間が過ごせました。

2022年7月1日金曜日

第2回 奏でる会

 思いの他今年は早くに梅雨が明け、各地で猛暑が続いています。

久しぶりのブログ投稿…お知らせの時だけすみません。


「岐阜」をテーマに作曲活動をされている、藤田和隆(ふじた わりゅう)さんから

このブログを通じてお声がけを頂き、このたびアンサンブル クラングとして

「奏でる会」コンサート出演させて頂くことになりました。

                     (ブログをやっていて驚くことの一つです)



会場は、岐阜城や長良川を一望する 

うかいミュージアムのイベントスペース。

昼の部 / 夜の部の2部制になっています.

とりわけ夜の部が終演する頃には、眼前の長良川鵜飼いはクライマックスを迎え、

カレンダーによれば満月も美しい夜となりそうで、

私たちも今から楽しみです。



第1部は「鵜飼を奏でる」と題し

地元を中心に人気のヴァイオリニスト 濱島秀行さん、ピアノの山口遥菜さん

藤田和隆さんの鵜飼いにちなんだオリジナル曲を演奏されます。

第2部「自然を奏でる」が、 アンサンブル クラング (棚瀬尚子 / 碓井彩那 / 田中優衣 / 藤原祐子)によるステージ。

風の流れはフルート(風流人)の得意とするところですが、

河の流れや森のざわめき、太陽や月といった自然の光をイメージするような曲を

選曲しています。

「音楽と自然の調和」というテーマは、

いつの時代にあっても、聴き手や奏で手を大きく魅了します。

創り手にあっては、時代を越えた普遍的なテーマでもありますね。

第3部は「神無月を奏でる」

再び濱島さんと山口さんのステージとなります。

濱島さんのオリジナル曲や、季節にちなんだ曲が予定されています。


岐阜らしい最高のロケーションで

音楽と自然、そして郷土の歴史までも一体となって織りなすひととき。

日常の中にある、ちょっとした非日常を

ぜひ体感しにいらして下さい。


2022年10月9日(日)昼の部 15時 / 夜の部18:30 開演

長良川 うかいミュージアム 四阿(あずまや)

チケットのお求めはコチラから↓↓↓

https://kanaderukai.stores.jp/

※ 基本的にはスマホによる電子チケットになります

※ リンク中、昼の会 / 夜の会 それぞれに購入先が違いますので。お間違えのないようご購入下さい。

※スマホをお持ちでない方は、チラシに掲載されている電話番号へお申し込みください。

2022年3月2日水曜日

日本音楽の午後 / ご案内

3月に入り、春らしい陽射しを感じるようになりました。

とはいえ、なかなか落ち着ちつきを見せない新型コロナの感染状況や、

「隣国」ロシア大統領の信じがたい暴挙、

気持ちの揺すぶられる日々は続いています。


私にできることがあるとすれば、

音楽を通じて「今、その時」心の拠り所を分かち合う、ことではないかと思います。

いつ終息するか分からない未来を憂いても、

自分自身が関与できない状況を心配し過ぎても、仕方のないことですよね。


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ご案内が遅れましたが、

岐阜聖徳学園大学の荒木善子先生の歌を中心に、

以下の演奏会が催されます。

私は荒木先生と共に、大西隆之先生の『花物語』から4曲と

福島和夫氏の「冥」を独奏いたします。



「冥 meiは、作曲家が恩人のいのちを偲び、
その魂が安らかなれ、穏やかなれと祈る曲。

さまよう魂の葛藤も聴こえてくるでしょう。


個人の思いから創られたその音楽が、
今現在の『私たちの普遍的な共感』となり、穏やかで安寧な世に辿り着けるよう準備しています。

全体的には、歌をはじめ、お箏や尺八、ピアノ(村瀬先生です!)も登場する
春らしくヴァラエティに富んだプログラムとなっております。

入場の際は、お客さまの安全をまもるため、
「招待券」のみ必要です。(主催者のご意向で、入場無料)

どうぞお気軽にお声がけください。klangjapan@gmail.com


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なお、3月20日に開催予定だったこちらの演奏会は
3月1日現在も新型コロナまん延防止措置が実施されている影響で、
5月15日(日)に延期されることとなりました。



主催者、演奏者、そして清水先生の強い思いもあって
「中止」ではなく「延期」となりました。

お客様のためにも、演者のためにも、より安全に開催し、
心置きなく音楽を分かち合いたいと思います。

その季節にふさわしくフレッシュで活力あふれる演奏ができると思いますので、
こちらの方もよろしくお願い致します。(残席僅か)

2022年1月2日日曜日

2022 謹賀新年

新年、あけましておめでとうございます。

旧年中は有形無形のご厚情をたまわり、ありがとうございました。

本年もよろしくお願い申し上げます。


各々の力が出せますように (従兄撮影)


昨年は、家庭での役割りや体力・気力のバランスに少なからず変化が訪れ、
年齢に伴う転換期を迎えたように思います。

そんな中、3月の発表会を終えた春頃
東京の先生(フルル・フルート教本の著者である奥原由子先生)から
トビラをノックされました。

扉の向こうから「人生は有限だよ」と聞こえてきます。
それでもすぐには応えることができず、
色々な状況が整いようやく重い扉を開くことができたのが、昨年の12月末。
久しぶりにレッスンを受けました! / @オンライン

奥原先生は、ベルリン芸大時代ハンス=ペーター シュミッツ先生に師事しておられます。
シュミッツ先生は、フルートにおけるJ.S.バッハ研究の第一人者であり、
原典版とされるベーレンライター版の校訂者。

バッハの音楽と、音楽から滲み出る人間力にもっと触れたいと思いつつ、
これでいいんだろうか?と思っていた者には
なんという恵まれた機会!

アーティキュレーションを付加する基本的な考え方、
主観と客観のバランスを含め、それを全体の音楽としてどう立ちあげていくか、
実現するためタンギングの見直しなど、
たくさんの(…と同時に途方もない)「宝物」を授かりました。

でも、宝物にできるかは、
きちんと「磨く」ことにかかっていて、
今回はみちしるべを頂いたという感じです。

何が言いたいかと言うと
昨年は日々、より良い(好い・佳い・善い)ところに心や魂を運ぼうという、
自分自身の方向性や実行力が足りていなかったな、ということです。

というわけで
私の生徒さん同様、私自身が学び直すひとりとなりました。




2022年の始まりは、少しでも高みへ…という気分。
今年もよろしくごどうぞ!