レッスンをしていて
音楽の始まりと終わりって大事だな、
音楽の始まりは、その音を立ち上げる前の「ブレス」
そのひと呼吸に、これから発進させる音楽のテンポや強弱、
「息の合った演奏」と言うのは、それらの情報を、共演者どうし密に共有している、ということでしょう。
一方、曲を終える時はどうでしょうか？
私たち笛吹きは、息がもたないという肉体的な制限があるせいか、
1曲を「きちんと」終える。
それは、最後の音を次の休符まで送り届けること。
そして音が消えても音楽が終わってもなお、その「余白（＝余韻）
日本画の特徴の一つは、その余白の緊張感だと言います。
作品の僅かな隙間に、描かれたものとの対比が生まれたり、観る側の想像力を託されたりします。
同様に、音の鳴っている時空ばかりでなく、音の鳴っていない時空にも
創造的な余韻が存在しているはずです。
以前、弓道を見学する機会がありました。
そこでは矢がマトに当たっても当たらなくても、
「残心」とは最後の所作を終えても「心が途切れない」
音楽を終える時にも、同じことが言えそうです。
「残心」…日本独特のステキな文化です。応用しない手はありません。
こういう爪の先まで行き届いた終わり方と言うのは、
