2014年11月9日日曜日

聖夜の星矢

乾いた空気に、雨の雫が心地良いです。

7月の工藤重典さん、11月の工藤さん+高木綾子さんに続いて、12月にもステキなフルーティストが岐阜市のサラマンカホールへいらっしゃいます。ええがね、サラマンカ♪
上野 星矢 さん
ヨーロッパでも大活躍中の上野星矢さん。折しも今日、 『2014 Young Concert Artists International Auditions』という若い奏者を発掘するオーディションで、6人の勝者のうちの1人になった、というニュースが飛び込んできました。

木・金管ではただ1人の受賞。アメリカで少なくとも3年間、コンサートをマネージされるという副賞がついているようなので、これからは日本とヨーロッパのみならず、アメリカも彼の活動の範囲になる、ということですね。

そんな未来ある上野さんが、サラマンカのワンコイン、500円シリーズに登場です。 (ホールの企画に感謝♪)

上野さんの演奏は、名フィルとコリリアーノの「ハーメルンの笛吹き」を聴いた印象が鮮烈に残っています。この曲は、一般的なコンチェルトのスタイルではなく、題材を反映したストーリーや演技が一体になっています。(共演した子ネズミちゃん達のフルートもかわゆかったなぁ。)

とにかく、現代曲としての技術も難解でしたが、一音一音明確で、非常に魅了されました。

以来、名古屋でのリサイタルを、数回聴かせて頂いています。若者らしくスピード感があり、色々な意味で年齢相応の刹那的な演奏であるとも思いました。

チラシよりも実物の方が、ずーーっとシャルマ~ン(=チャーミング)な方です。

3歳から入場できる貴重なコンサートですが、いつものワンコインのシリーズより、しっかりとしたレパートリーが入っている気がします。

ドビュッシーを皮切りに、1900年代の作品が並んでいます。ドビュッシーの「シリンクス」は「魔法の笛」という意味ですが、ピアノ伴奏のないソロ曲ですから、サラマンカホールの素晴らしい響きや空間を、どのように使ってマジックをかけるのか、楽しみです。

Youtubeには「デジタルバード組曲」の抜粋がありましたので、参考にどうぞ。「現代曲~」と恐れるほど、聴く分には難解ではありません。むしろ、デジタルにバチーっと合っていて、カッコイイですね。


上野さんは、吹奏学部に入部しておられたとかで、このことをフルート体験の原点としていらっしゃるようです。毎日ルーティンのようにして部活動を行うよりも、たった1日部活をお休みしても、このような演奏を聴く事は、後々豊かな指針となるはず。

部活動でフルートを吹いている子は多いはずなのに、岐阜での演奏会で、制服組はほとんど会場に見られません。(浜松辺りだと、制服組をよく見かけます。さすが楽器製造のおひざ元だなと思います。)

その上野さん、3rdアルバムを出されるのだとか。J-Popのカヴァーだそうです。

「言葉をフルートで表現するためのアーティキュレーションにかけた時間、はっきり言ってバロックのフルートソナタと同じくらい研究しました。生半可な気持ちでカヴァーはしません。」

音楽の素晴らしさを伝えるのにジャンルを飛び越え、しかもポップスを吹くにも真摯な熟考があり、素晴らしい心意気だと思います。何より、彼の歌心は音楽への真心と通じていて、説得力があります。

前売りがすでに始まっていますので、どうぞお出かけ下さい♪ 

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サラマンカ500シリーズ~上質な音楽を気軽に~
聖夜は、セイヤで。家族で楽しめるクリスマスコンサート



フルート/上野 星矢  ピアノ/内門 卓也
まるで、べつの星からやってきたようなフルーティスト。
その音は、きくものの心を射る矢のようです。

ランパル国際フルートコンクール優勝。
アルバム『万華響』、『DIGITAL BIRD SUITE』が『レコードアカデミー』連続受賞。
クラシック、現代音楽、ポップスというジャンルにこだわらない「わかりやすさ」と「通好みの音楽性」、
まさに新時代の音楽家の登場です。
【同日開催】 無料・チケットレス 0歳からOK!
2014年12月23日(火・祝)14:00開演(13:30開場)
※3歳からお楽しみいただけます。

【プログラム】

ドビュッシー:シリンクス
吉松隆:《デジタルバード組曲》より 鳥恐怖症、夕暮れの鳥、鳥回路
ゲイリー・ショッカー:後悔と決断
ジョリヴェ:リノスの歌
松任谷由美:海を見ていた午後
辛島美登里:サイレント・イブ  ほか
※プログラムは変更される場合がございます。

【関連記事】上野聖矢 FLコンサート @サラマンカホールhttp://klangjapan467.blogspot.jp/2014/12/fl.html


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