2018年6月13日水曜日

羊と鋼の森 / 映画

2016年 本屋大賞を受賞した 『羊と鋼の森』
その映画を観ました。

ピアノ調律師とは…?
職業人として弾き手の求める音を誠実に模索する、青年のお話し。


濁りの無い登場人物たち。
無駄なく冴えて、耳に届く音響。
美しく深い故郷の森を、求める音の手がかりとして。

大変心地よい映画でした。

+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:

劇中引用された、詩人 原民喜 ハラタミキ)『砂漠の花』の一節。
三浦友和氏演じる主人公の先輩調律師が、「理想の音とは?」と問われ引用しました。

明るく静かに澄んで懐かしい文体
少しは甘えているようでありながら、厳しく深いものを湛えている文体
夢のように美しいが現実のように確かな文体
…私はこんな文体に憧れている。
だが結局、文体はそれをつくりだす心の反映でしかないのだろう。

+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:+†+:;;;:

言うには及びませんが、「文体」という言葉を、そのまま「音色」に置き換えることができます。

私たちの奏でるフルートの音も
こんな世界観に向かっているとしたら、素敵だな。

キレイゴトかな…?

でも音作りは「自分で求める」ってことだと思う。
「求め続ける」ということだと思うな。

教わることなんてできないんだろうと思うのです。
だって、皆の「心の反映」なのだから。

…そんな風に思った映画でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿