京都で見て以来、2回目となります。
『ジャポニズム』とは、19世紀の後半ヨーロッパで見られた「日本趣味」のこと。
(詳しくはこちらを参照。)
葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵や、日本の職人による工芸品が、モネやゴッホ、ムンクなど名立たる美術家達の作品に多大な影響を与えた時代がありました。今でいうクールジャパンですかね。
今回の展覧会のメインは…
モネ / ラ・ジャポネーズ (Wiki) |
修復を経て、色鮮やかに蘇った『ラ・ジャポネーズ』。修復後、初の公開だそうです。
着物の緋色や刺繍の立体感が見事。
モネの絵は、一見空気に溶け込むように柔らかいのですが、近くで見るとかなりハッキリとした強い筆致で、意外に思うことがあります。
展覧会では、ボストン美術館のコレクションである浮世絵と、それらの作品に影響された西洋画家たちの作品が並べられて展示されています。
両者を並べてみてみると、むしろ浮世絵の大胆さや緻密さ、ユーモラスな点に心を奪われます。
実は、「ジャポニズム」の現象は、美術界のみならず、音楽界においても見られます。
分かりやすい例は「マダム・バタフライ(蝶々夫人)」ですが、何と言ってもドビュッシーの試みは傑出しています。
ドビュッシーが試みたのは、必ずしも「日本的」なものばかりではありません。東洋音楽の特徴である5音音階や、拍節の周期から解放された新たな時間軸を試みることで、それ以前の西洋音楽には無かった、まったく斬新な音楽を作り上げました。それは洋の東西を融合するような、大胆な試みだったと思います。
ドビュッシー 「版画」よりパゴダ / マルタ・アルゲリッチ
ドビュッシーが試みたのは、必ずしも「日本的」なものばかりではありません。東洋音楽の特徴である5音音階や、拍節の周期から解放された新たな時間軸を試みることで、それ以前の西洋音楽には無かった、まったく斬新な音楽を作り上げました。それは洋の東西を融合するような、大胆な試みだったと思います。
(詳しくは色々な資料がありますが、ピアニスト青柳いずみこさんの著述「ドビュッシーと日本的感性」等が面白いです。)
生徒さんの中に『シランクス』を吹いたことがある方もいますね。地に足がつかないようなフワフワした感じ、不思議な音列…。その理由は、上記のことによるものです。
生徒さんの中に『シランクス』を吹いたことがある方もいますね。地に足がつかないようなフワフワした感じ、不思議な音列…。その理由は、上記のことによるものです。
私たち日本人も、西洋文明や文化から多分な恩恵を受けて近代化が進みましたが、日本古来の文化もまた、欧米人に多大な影響を与えていたのです。
開期は5月10日まで。