2015年4月10日金曜日

ジャン・フェランディス 公開レッスン

先日、ジャン・フェランディスさんの公開レッスンを聴講させて頂きました。(於:ドルチェ楽器名古屋店)

音楽的なアドヴァイスはもちろん、身体の使い方について、具体的な示唆に富み、即座に結果を出す、素晴らしいレッスンで大変印象的でした。

ジャン・フェランディス氏

フェランディスさんを一見して、「西洋の体つき」だなーと。…ま、当たり前か… (^^ゞ

フォルミザーノ氏や、コフラー氏、ミヒァエル・ファウスト氏等にも共通して感じたのですが、頭は天から吊られているようで、足はしっかり地軸に吸い寄せられ、長い手は脱力し、非常にしなやかなんですね。

そういった方たちの肉体や存在感までもが、ダンサーや俳優かと思えるような、佇まいをしています。

そしてこういう方達って、声も良いんです。声そのものというか、声の響き(=レゾナンス、共鳴)が良いんですね。もう見るからに「鳴る身体」だと、想像できるわけです。


レッスンの冒頭、立ち方や構え方についても言及がありましたが、色々な先生が様々なことを仰るので、ここでは割愛し、要点を2点に絞ります。


①頭の位置(=ポジショニング)について


そもそも基本の「立ち方」は、上図のように、頭から足まで一つの軸が通じていて、肩甲骨が下りて、それにより胸が開き、肩はリラックスしている状態です。例えば、良い声楽家は基本的には、このポジションを取っています。

ところがフルート奏者はそれに加えて、腕を持ち上げ、楽器を前に構えます。そのため、上記の基本姿勢を崩してしまう場合がよくあると思います。大抵は、頭の位置が前に出てしまいます。加えてフルートの構えはシンメトリー(=左右対称)ではなく、上体をねじらないようにしなければいけません。

頭が前に出るとどうなるか?

実験してみると面白いのですが、頭が軸に乗った時の声と、(ペキン原人みたいに)頭を前に出して声を出してみるのとでは、その共鳴は如実に違います。このことが、フルートに影響しないわけがありません。

首が緊張し、のどが閉じ、背中が上に引っ張られて緊張します。

ましてや楽譜を読んだりして集中しすぎると、前半身ばかり忙しく使っていて、視野が狭くなったり、胸が閉じて自在な呼吸が得にくくなったり、恐らくは限定的な音しか聴いていなかったりするでしょう。大家は後半身を有効に使っていますね。


それから…

フルートを吹いている時、音程調節などのために、「前後の」首の動きはしばしば行いますが、フェランディスさんは、「左右の」動きの柔軟性も確保しておられました。(耳をわずかに肩の方向へ左右交互に傾ける動き)PPを吹くときは必ずと言って良いほど、首がロックしていないか確認しています。




これら身体のポジショニングに関しては、いわゆる「アレクサンダーテクニック」に似ていると感じましたが、彼曰く、彼自身が独自に熟考し、発展させたメソードだということでした。「アレクサンダーテクニックについては、よく知らないんだ。時々(似ていると)言われるけどね」とのことでした。


②口は胸にあると思うべし ?!

笛は口で吹くものです。でもそれは時に「外にペーペー出る音(分かります?笑)」になってしまいがちで、地声のように幼い音色に聞こえてしまいます。

「口は胸にあると思うべし」というのは、響きは体の「外でなく内部で」共鳴させよう、ということだと理解しています。

チャクラ

以下はフェランディスさんが仰ったことではありませんが、ふと上図に思いが至りました。

チャクラとはインドの伝統医療で、「エネルギーを生み出すポイント」考えられているところだそうです。フェランディスさんの仰っている「響きの源」が、見事にこの図の❸~❺の位置と一致するのです。そう言った発想が彼自身にあるのか、うかがってみたかったです。

まぁとにかく、あんまり口でペーペーと吹き散らさず、❹のポイントが口だとイメージしなさい、ということでした。音色や音域によって❸や❺のイメージを持つ時もある、らしいです。


①②とも、実際私の生徒さんともやってみましたが、とても良い感じでしたよ♪
…読んでいるだけでは??よく分かりませんよね。
レッスンの中でやってみますのでね (^-^)☆


(…他にもたくさんの言及がありましたが、今回は割愛します。)

本当に多彩なメソードをお持ちの、素晴らしい先生でした。フルートには決まった教え方があるわけでなく、先生によって色々なことを仰います。いろんなアイデアを試してみて、時分に有効だと感じたら、そのアイデアを生かせば良いと思います。

そしてすべてはのびのび音楽を奏でるために ♪


レッスン後、ユーのファンタジーを演奏して下さいました。もちろん、プレーヤーとしても大変魅力的です。

お招きいただいたドルチェ楽器さんには、深く感謝しています。
ありがとうございました。


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