ベルリン・フィル×4公演 ☆♪
中でも、オペラ形式の「バラの騎士」と、同じくR.シュトラウスの「変容」(=メタモルフォーゼン=23の独奏弦楽器のための習作)が素晴らしかったそうです。ラトルとベルフィルが完全に一体化していたとか。
さて、2018年をもって契約満了となる、ベルリン・フィルの首席指揮者、サイモン・ラトルの後継者について、注目が高まっています。
今年の5月11日に団員による選挙で、ラトルの後任が決まります。世界的に見ても、オーケストラ団員が自ら選挙を行って、次期の常任指揮者を決めるケースは、大変珍しいことだそうです。
…個人的な興味もあり、たまにはドイツ語の練習もせなあかん…<`~´> ということで…
ドイツの新聞 ベルリナー・モルゲンポスト Berliner Morgenpost にその下馬評(!?)が出ましたので、ご紹介します。
リンク:http://www.morgenpost.de/kultur/berlin-kultur/article139407548/Wer-gute-Chancen-auf-die-Rattle-Nachfolge-hat.html
(と申しましても、大雑把な直訳でスミマセン。結構辛口で可笑しいのです。誤訳等があれば、お知らせ頂ければ、と…。)
フィルハーモニー大ホール |
それでは…
【ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 次期首席指揮者候補者リスト】
~ベルリナーモルゲンポストによる
◆ マリス・ヤンソンス Mariss Jansons (72) 70%
目下のところ一番人気で、悪く言うものはない。団員にも敬意を払い、レパートリーの幅が広く、伝統的なスタイルにも忠実。カラヤンの弟子。彼がこのオーケストラと、シャロウン設計のこのホールを気に入っている事はよく知られている。(バイエルン放送響のホールではいささか揉めたこともあるので、)彼は良いホールを必要としている。健康面が懸念される。
◆ ダニエル・バレンボイム Daniel Barenboim (72) 70%
団員が「世界的スター」を望むなら、彼ほど適した候補者はいない。誰しも一度は彼の演奏を耳にしている音楽家である。雑誌「The New Yorker」誌上、「生存する音楽家の中で、最も重要な1人」だと取り上げられた。また、イスラエルとパレスチナの若い音楽家で構成された「ディヴァン・オーケストラ」の設立で一躍名を挙げた。バレンボイムはピアニストとして、また指揮者として50年以上も、ベルリンフィルと関わり続けている。これまでに2度、常任選定選挙で名が上がったが、前回は若いラトルに軍配が上がった。バレンボイムは、ディヴァンの他にもベルリン国立歌劇場の音楽監督ではあるが、遅ればせながらの「婚姻関係」も想像に難くない。
◆ クリスチァン・ティーレマン Christian Thielemann (56) 60%
「本能的な」音楽家を挙げるなら、彼だろう。ティーレマンは魔物とも言うべき、音楽的ハイライトを創り出せる一人。また、古式にのっとったドイツ音楽の伝統を継承する旗手でもある。音楽業界はグローバル化、デジタル化が進んでいる。彼の存在はもちろん唯一無二ではあるが、カラヤンの継承者という見方はある。しかし、それは同時にカラヤンにおける「繁栄」と「罵詈」という、両側面(の評価)が付いて回ることを意味する。また、彼の本拠地である、ドレスデン・ゼンパーオパー前から始まったPegida(=西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者の団体)のデモに対する「寛容で大仰な」反応は、多くの人を懐疑的にさせた。
ただ、ベルリンフィルの団員には、彼を推す一派が少なからずいることも事実。ワーグナーやブルックナーからリヒァルト・シュトラウスまでの後期ロマン派の素晴らしさは、議論の余地がない。ただベルリン・ドイツオペラ時代、頑なな「支配的指揮者」としてミソを付けた過去が。ベルリンフィルは彼との「共生」を学ばねばならないだろう。
シャロウン設計の「サーカス小屋」外観 |
◆ アンドリス・ネルソンス Andris Nelsons (36) 60%
将来の投資であろう。若手世代の中では最も才能にあふれ、前途の明るい人物。カリスマ性を備えた、楽壇にふさわしい一人。マリス・ヤンソンスの愛弟子で、ちょうどボストン・シンフォニーでのキャリアを開始したところ。伝わるところによると、非常な情熱と実行力を持って、このオーケストラでのやり方を学んでいるそうだ。一年前のインタビューで、ネルソンス自身「ベルリンフィルを率いるにはまだ若すぎる」と話しているそうだが、(選挙直前の)4月23-25日には、このオケで、グルーバーとマーラーを振ることになっている。この指揮者が持てるすべてを出し尽くすことは疑いがない。ちなみに、「選挙前にインタビューに答えることはしない」、と早々に発表されている。何でだ?
◆ グスタヴォ・ドゥダメル Gustavo Dudamel (34) 40%
もし選挙の状況が混沌とするようなら、彼は理想的な妥協案であろう。彼はベルリンに好意的であるし、また指揮台で情熱を燃やし尽くした時の、「写真うつり」もなかなかだ。ある種の人には、胸が高鳴るだろう。過去数年、彼の音楽解釈は成熟してきた。それから、彼はベネズエラの教育システム、「エル・システマ」の出身者である。彼は、その中から出世コースに躍り出た典型例である。現在ロス・アンジェルス・フィルの音楽監督である。
◆ リカルド・シャイー Riccardo Chailly (62) 35%
心にイタリアオペラへの愛着を抱え、ミラノ・スカラ座におけるダニエル・バレンボイムの後継者となった。クラウディオ・アバドの愛弟子。極めて保守的な音楽都市ーライプツィヒでの軋轢を含めて、もう永遠かと思われるほど長く、ケヴァントハウスオーケストラを率いている。CD録音は概して評価が高い。
◆ ヤニク・ネゼ=セガン Yannick Nézet-Séguin (40) 35%
現在フィラデルフィアの音楽監督。このカナダ人指揮者は、独特の指揮美学を宿している。或いは「ショウ」とでも言うべきものを。聴衆はそれを好んでいるし、音楽家達も彼を讃えてはいる。彼は(フィラデルフィアとの)契約を2022年まで延長した。ただ良い契約には「離脱条項」も含まれているものだ。これは何を意味するのだろうか?年齢からしても、(ベルリンフィルの)若い層に気に入られ、(一定の)高い要求を満たすという点においては、彼もまた極めて適していると言えるだろう。
◆ リカルド・ムーティ Riccardo Muti (73) 30%
70+α世代のスター指揮者。彼が同世代と競合するのならば、勝ち目の強い相手であろう。30代+αの世代に、優秀な指揮者が現れ始めたが、その間の世代は層が薄い。「オールドマスター」ムーティは、現在シカゴ響を率いている。ベルリンフィルとは1972年以来の付き合い。しかしながらシャイーと同様、クラウディオ・アバド亡き後、こうも早いタイミングで、再びイタリア人指揮者が迎え入れられることは、考え難い。少なくともムーティは4月15-17日にベルリンフィルの定期公演を振る予定である。
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