2015年6月30日火曜日

蓮の花が、今年も

蓮の花が、今年も咲いてくれました。
ドイツの親友家族が、日本を去る時に残してくれたもの。

ふだん不義理をしているくせに、咲いてくれると格別に嬉しい。(ゲンキン極まりない…^^ゞ)

「アーカンシェル」…というらしい♪

「泥より出でて、泥に染まらず」

蓮の花の深層(水中の泥水)と表層(水面の花)とのギャップに、人は様々な思いを寄せる。
それは時に、哲学や宗教にまで行きつくほどに。


この花のありようは、私にある音楽家を想わせました。

その方は優しく寛大で、いつも多くの人を和ませ楽しませるのに、奥深く隠れた部分には、いのちに関わる言いようもない哀しみを抱えて、日々を過ごしておられたのです。

…多かれ少なかれ、人間にはそんなところがあるのかもしれないけれど、表に見えているものには、きっと僅かな手がかりしかない。

「シャーレンストロウン」

蓮の花には、「あわよくば、こうありたい…」と思わせる、尊い魅力がありながら、ーこの花の寿命と同じようにーその決意も3日で終わってしまう、…ワタシであります。


【関連記事】

知ることより、感じること http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/05/blog-post.html

自然は最良の作曲家 http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/04/blog-post_20.html

2015年6月24日水曜日

ベルリンフィル新シェフ決定

既におとといの事になりますが、ベルリンフィルの新しい首席指揮者(兼、ベルリンフィル財団の芸術監督)が発表されました。
国内外のたくさんのメディアが発表したので、ここでわざわざ…の感もありますが、これまでしつこく?! (^^ゞ 話題にしてきたこともあり、結果を記しておこうと思います。

キリル・ペトレンコ氏 。(43)
現在、ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場の音楽総監督。

Kirill Petrenko

【ベルリンフィルによるプレス発表】

http://www.berliner-philharmoniker.de/titelgeschichten/2014-2015/kirill-petrenko-2015/ (独)
http://www.berliner-philharmoniker.de/en/titelgeschichten/2014-2015/kirill-petrenko-2015/ (英)

プレス発表 (独/英)
 
 
シェフ受諾の旨を告げた後の、ペトレンコの第一声は 「オーケストラを抱擁します。」
 
 …通常、初共演する指揮者に関しては、「この指揮者をもう一度招くかどうかが団員の間で話題になるんだそうですが、2006年ペトレンコとの初共演の際は、いつ(再び)彼を招くことができるか」が、団員の関心事だったと言います。
 
【ペトレンコのコメント】
 
Kirill Petrenko: »Man kann es gar nicht in Worte fassen, was in mir gefühlsmäßig vorgeht: Von Euphorie und großer Freude bis zu Ehrfurcht und Zweifel ist da alles drin. Ich werde meine ganze Kraft mobilisieren, diesem außergewöhnlichen Orchester ein würdiger Leiter zu sein und bin mir auch der Verantwortung und der hohen Erwartungen bewusst. Vor allem erhoffe ich aber vom gemeinsamen Musizieren viele Momente des künstlerischen Glücks, die unsere harte Arbeit belohnen und unser Künstlerleben mit Sinn erfüllen sollen.«
 
現在自分の感情に湧き起こっていることを、言葉で表すことは到底できません。高揚感や大きな喜びであることはもちろん、畏敬や逡巡に至る気持ちまで、あらゆる感情を含んでいます。この並外れたオーケストラに対して堂々とした指揮者であるために、私の持てる力を全て結集するつもりであり、また自分自身、そのことへの責任と高い期待を感じてもいます。しかしなによりも、これから共にする音楽活動を通じて、厳しい鍛錬に報い、我々の音楽家人生に意義をもたらす芸術的至福の瞬間を多く持てるよう、切に望んでいます。
 
【演奏動画】
 
スクリャービン / 「法悦の詩」より
 
就任は2018年。
 
 …そういえば今週末は、ヴァルトビューネ Waldbuehne のコンサート。文字通り、森の中の舞台で行われる、ベルフィルによる市民向けの野外コンサートです♪
市民は、毎回最後に演奏される「ベルリンの風 Berliner Luft」という曲を、指笛を鳴らしながら、或いは手に持った花火を揺らしながら愉しむのです。ベルリンフィルの演奏する市民の歌。皆それは誇らしげで。…たまらなく懐かしいです。
 
 
【関連記事】
 
サイモン・ラトルの後継予想! http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/04/blog-post_14.html
 
サイモン・ラトルの後継予想 ②  http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/04/blog-post_27.html
 
 
 

2015年6月14日日曜日

『セビリアの理髪師』ハンガリー国立歌劇場

この頃、週末ごとに演奏会へ出かけて行く果報者です (^-^)♪
この頃聴いたどの公演も、心の栄養になったり物事を考えるきっかけとなって、私自身の一部となるような気がします。

この週末は、ハンガリー国立歌劇場によるロッシーニのオペラ『セビリアの理髪師』を観ることができました。

惚れた腫れたの、まるで昼ドラを見るようなあらすじ。
オトコゴコロ、オンナゴコロ、横恋慕、野心…。
どの登場人物も総じて自我に素直で、肯定的で、まったくウラヤマシイ限り ?! 笑
人間の欲望の『リアリティ』が、極めて生き生きと描かれています。

セビリアの理髪師 @ 愛知芸文 大ホール

個人的には、セッコの部分のチェンバリストがお遊び満載で、とても愉しみました☆ ラフマニノフのPコンや、エリーゼのために、メンデルスゾーンの結婚行進曲の断片…はたまた2幕の初っ端は、ノキアの着信音から始まるという、大胆かつ、完全に手の内にある即興の遊び心が可笑しかった…♪


実はこの公演、いつも応援して下さる方からご招待を受けたものでした。
日本にいながらにして、このような豊かな時間を頂戴し、どのような言葉も御礼の気持ちに代えることが出来ません。
この場を借りて、心から感謝の気持ちをお伝えしたく思います。

2015年6月12日金曜日

「葉っぱのフレディ」プロジェクト

今フルートアンサンブル(中級)のレッスンでは、9月に向けて本番の準備が進んでいます。

『葉っぱのフレディ』
ーいのちの旅ー
レオ・バスカーリア 作

を題材に、お話し(≠朗読)とフルートアンサンブルの音楽を一つの世界にまとめるべく、準備を重ねています。

以前足を運んだ、生徒Sさんの朗読会が素晴らしく心に残っていて、フルートアンサンブルとのコラボ?! をお願いしたのです♪


お話しは、擬人化された葉っぱの「フレディ」が、四季の移ろいを、人の一生に重ね合わせて進行します。生命力や希望にあふれる春夏を経て、やがて季節が移ろい秋冬を迎えます。その過程の中で、いのちの終焉は大きな巡りの中に組み込まれていると気付く…というもの。

このお話しを読んだ時、韓国の映画監督キム・ギドクの「春夏秋冬そして春という作品を思い起こしました。同じテーマを扱っていて、強く印象に残っていたのです。(ご覧になった方いらっしゃいますか?)

庭の沙羅の木(ナツツバキ) / 鈴のような蕾

いのちとの対峙の仕方は皆各々ですし、あまり軽々しく申し上げるつもりはありません。ただ、そのエンディングについて想いを致すことで、「今どうありたいか」という、日々の自分を見つめるきっかけになれば、と考えています。


9月までに、このお話しの間にフルートアンサンブルの曲を組み込んで、一つのステージとして仕上げて行きます。

昨晩は、本番でお話しを読んで下さるN寺さんとの初合わせでしたが、お互いの連携や間、雰囲気などが伝わって、練習過程も含めて楽しみな会になるなぁ…という感触がありました。

演奏する曲目は以下の通り。

【プログラム】

♪木漏れ日の散歩道 / 神長一康
♪バランセル(=ブランコ) 『エオリア組曲』より (抜粋) / M. ベルトミュー
♪Bacchus(バッカス) / 山中惇史
♪月とシエラ(抜粋) / W.オッフェルマンズ
♪彼方の光 / 村松崇継
♪旅立ちの日に(抜粋) /  坂本浩美
♪朝の祈り 『こどものためのアルバム』より / チャイコフスキー ※ピアノ独奏

場面や心象に寄り添った、とびきり美しく愛着のある曲たち☆
近年出版されたばかりの曲も多く含んで、とても新鮮です。
生徒さんたちのご提案もあり、気に入った選曲ができたので、とても嬉しいです… .:♪*:・'゚♭.:*・♪'゚。.*#:・'゚.:*♪:・'.:♪*:・'゚♭.:*・♪


もしこのブログを見て趣旨にご賛同いただける方、「一緒にやってみたいなー」、という方がおられましたら、どうぞお声かけ下さい。

曲目については、また改めてご紹介したく思います。

本番は…

2015年9月26日(土)開場 13:30 / 開演 14:00 
岐阜県図書館 多目的ホール


そういえば…♡
N寺さんに、差し入れを頂きました。(お休みされた方、ゴメンナサイ!)

香梅さんの鮎菓子

岐阜の名菓、アユガシ!(鮎が入っているわけではありません☆子供の頃はそう疑っていたけど… カタチが鮎なんです(^^ゞ)
生地も求肥もふっくら、しっとりとしていて、今までで一番美味しかったデス☆

お心遣い、ありがとうございました。


【関連記事】

葉っぱのフレディに寄せて http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html

ご来場ありがとうございました / 葉っぱのフレディ 
http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/09/blog-post_26.html

月とシエラ http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/07/blog-post.html

木漏れ日の散歩道 http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/07/blog-post_24.html

朗読会へ http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html

アンサンブルレッスン(中級) http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page_9.html

フルートアンサンブル(中級以上)ご案内 http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/09/blog-post_21.html

フルート教室のご案内 http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page.html

終わりなき憧れ http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/12/blog-post_22.html

発表会に出るということ http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html

フルートの会 Klang 第9回発表会 http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/09/klang-9.html 

2015年6月6日土曜日

岐阜県代表3校による『ドリームコンサート』

昨日の冷たい雨から一転、週末は再び爽やかな快晴のようです ゜*。  。*°゜*。  。*°


少し時間が経ちましたが、先週の日曜日、昨年の吹奏楽夏の大会で岐阜県代表になった中学3校による、「ドリームコンサート」が催されました。(各務原市立那加中、大垣市立東中、同西部中)

昨年の県代表3校が、コンクールの課題曲・自由曲の他、フリのついた?楽しい曲(※のだめ風のアレです☆)を、2時間半熱演♪

☆ finished ☆

コンクールまで2か月を切ったこの時期に、現時点での取り組みをシェアし、学び合い、交流するという企画。なかなかできないことです。

楽器を持って3週間という新中1生が、「メリーさんの羊」や「喜びの歌」等、初舞台を踏んでいたのも逞しく思ったり。学年別3校合同の演奏も、とっても有意義な機会。 (^-^)☆

3校各々に顧問の先生方のカラーが違い、そのことが各バンドの音色や音楽性に影響していて、興味深かったです。


ご案内頂いた席には、全国大会の常連校である愛知県安城学園の前顧問、Y見先生がいらっしゃり、色々とご意見をたまわりながら、生徒たちの演奏を楽しむのと同時に、コンクールを見据えてかなり客観的に聴くこととなりました。現時点でのサウンドと、コンクールまでのノビシロ。

ブラバンのサウンドは独特…というか、あまり聴き慣れていないので、自分の耳の方向性がズレていないか、確認できるのは有難い機会です。

また、「好み」のサウンドが、コンクールで「勝てる音」とは一致しないようでして…。その辺はビミョーな心境です (^^ゞ

課題曲 / 西村朗 秘儀Ⅲ ~旋回舞踊のためのヘテロフォニー~

それにしても…指導に行っている学校、課題曲の選択がコレなのですゎ。 ………。
西村朗さんの「秘儀Ⅲ」。

パート譜は難しくないのだけど、全体としては…「へてろふぉにー」●~*

西村さんの作品自体は面白いと思うけれど、何と言ってもハモりもままならない中学生…!終始2度の不協和音の層が、同じようなリズムに乗って「旋回」していくこの作品。生徒たちは『??×!<`~´>▲☆?』 という感じ。無理もないよなぁ…。

ただ、中学生たちはそれは健気に?! よくやっておる!彼らの青春をかけた膨大な練習が、なんとか音楽的に意味のある成果となるよう、微力ながらお手伝いできると良いのですけど♪


【関連記事】

岐阜県中学校選抜吹奏楽団 ②  http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/05/blog-post_5.html

岐阜県中学校選抜吹奏楽団 始動! http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/03/blog-post_22.html

中1生、試奏わず http://klangjapan467.blogspot.jp/2016/02/1.html

自然体の作り方 http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/09/blog-post_30.html

なぜ合奏は「合う」のだろう? http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/09/blog-post_13.html

高木綾子さん 公開レッスン http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/12/blog-post.html

アンサンブルレッスン 中級 http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page_9.html

フルート教室のご案内 http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page.html

ようこそ、Nちゃん♪ http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/09/n.html

2015年6月5日金曜日

寄り添い

ある雨の朝。

母が石原裕次郎のCDを聴いていた。
スーパーで売っていたからと、少し恥じらって、自室の襖を閉めた。
耳を傍立ててみると、その声は甘く、ロマンチックで素敵だ。

…瞬くような時を経て、青春を想い返しているであろう母の姿を見て、ひどく泣けてきた。

日々の暮らしの中、今、寄り添うことを忘れてしまう自分が哀しい。

ブレンデル / シューベルト 即興曲 Op.90-3