2015年7月11日土曜日

月とシエラ

9月のフルートアンサンブルの本番で、『月とシエラ (Luna y Sierra)』という曲の一部を演奏します。オランダのフルート奏者、作曲家でもある、ウィル・オッフェルマンズさんの作品。

「闇と光」「静寂と躍動」などの対比を感じさせる、とても美しい曲です。

現在取り組んでいる「葉っぱのフレディ」では、ーこの曲の本来の趣とは異なるのですがーいのちの「限り」を悟る場面に挿もうと考えています。不安や怖れを象徴する場面です。


…この曲は、これまで皆さんが体験していらした音楽とは、一風異なっているのかもしれません。
フルートソロのエキゾチックな旋律に、低音のd(=レ)の音だけが通奏されるのです。

つまり、皆さんの演奏する音は「レーーーーー」だけ!! (^^ゞ

「月とシエラ」 by ウィル・オッフェルマンズ

参考までに、作曲者ご本人による解説をご紹介したく思います。(オッフェルマンズさんのHPより)

"On August 5th, 2009, I enjoyed a spectacular full moon. From the Andalusian village of Huetor Santillan near Granada (Spain), I had a full view over the Sierra Nevada mountains. With the sun just down, still painting the mountains with an orange-red hypnotism, the full moon appeared from behind the mountains and I could enjoy a moment of bare beauty. I wrote Luna y Sierra to celebrate that moment, where the Sierra Nevada became the stage for a dazzling performance by the full moon." - Wil Offermans 

2009年8月5日、スペイン・アンダンルシア地方にあるグラナダ郊外のとある村で、壮観な満月を目にしました。シエラ ネヴァダという山の上に浮かぶ、満月の全景を愉しんだのです。ちょうど太陽が沈みかけて、催眠術かのようなオレンジがかった赤い光が、山の稜線を描いていました。その時、その山の背後から満月が現れたのです。「あるがままの」美しさ。その瞬間を祝福するために、私はこの「月とシエラ」を作曲したのです。シエラ ネヴァダの山は、この満月による見事なパフォーマンスの舞台となったのです。

…この解説を読んでいるだけで、オッフェルマンズさんの豊かな感性が伝わってきますね。


また、この曲を演奏する際のガイドとして、以下の記述があります。


・「p」の静寂を保つこと
・作品全体を通じて演奏される「d(=レ)」のロングトーンは、瞑想状態にも似た集中力が必要。


私は、この「レーーーー」という、たった一音に内包された音楽の力を信じます。



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