2016年5月28日土曜日

ビルギット ラムスル 公開講座

ビルギット ラムスルさんマスタークラス@名古屋市立菊里高校音楽科 (2016.5.23.)

【プロフィール】

https://www.muramatsuflute.com/flute/comments/066.html

絶賛来日中のウィーンフォルクスオパーの首席奏者、ウィーン音大教授。
W.シュルツとA.アドリアン両氏に師事。

ビルギット ラムスルさん
【演奏曲目】

クヴァンツ : G-Gur コンチェルトより 第1楽章 (自作カデンツ付き)
ユー : ファンタジー

伴奏 内藤江美先生

【生徒さんの受講曲目】

イベール :  コンチェルト 第3楽章
マルタン : バラード


ビルギットさんには今回初めてお目にかかりましたが、
お写真で拝見する通り、本当にチャーミングな方。

レッスンでは、楽譜における細やかな音楽作りだけでなく、
生徒さん各々の奏法の改善点にも目を配り、素早く結果を導かれました。

奏者の本質的な問題点=改善点にまで踏み込んで下さるレッスンは、なかなかどうして貴重です。
まだお若いと思うのですが、奏者としてだけでなく、教師としても素晴らしかった。

ヨーロッパの先生方は、やはり基礎奏法を大切になさっているなぁと、つくづく思います。

菊里の生徒さんも、良い意味で自意識が高く、
「こう吹きたい!」という強い気持ちに溢れていて、清々しかった♪
「響きの核を逸らさず、全て音にするために」ということが主眼のレッスンだったように思います。


中高生や中高年の方には特に必要とされる、「お腹から吹く」ということ。
インナーマッスルや体幹、コアの鍛え方について、
自分ももっと実践しなくてはなぁ、と思ったことでした。

2016年5月22日日曜日

パユの公開講座

エマニュエル パユ氏のマスタークラス@ドルチェ楽器名古屋店 (2016.5.16.)

この日は色々な偶然の重なった、不思議な日。

名古屋駅の構内でパユ(とシュテファン・コンツ、ホアキン・リケルメ)を見かけたことも、その1つ。

それから…

演奏会場で、同じ方と2度隣り合わせたコトって、皆さんありますか?

カール=ハインツ シュッツさんのコンサートに続いて、この日の公開レッスンでも、同じ方がお隣りだったのでビックリ。

しかも、一方的に尊敬している奏者H氏でありました (^^☆

広い意味では同業者なのだから、そういうことだって無きにしもあらず、なんでしょうが。

色々お話ししながら聴かせて頂いたので、私にとって有意義だったのは言うまでもありません♪♪♪


あ、肝心のパユ?

トリプルタンギングのやり方…初めて聞く方法だったけど、
他は上の空だったかもー (^^ゞ

たまにはこんなコトもあります。

2016年5月21日土曜日

シュッツとアウアー

4月末から3週間ほどの間に、
ウィーンフィルの2人の首席カール=ハインツ シュッツとワルター アウアー両氏のコンサートを聴く機会がありました。

アウアー氏の演奏会の前日は、パユ氏の公開レッスンも。

こんなに短い期間に、これだけ世界水準の演奏を聴く機会は、世界のどこにもない稀な機会だろうと思います。日本にいてこそ。

よく言われることですが、シュッツとアウアーは、随分違ったタイプのプレイヤーですね。

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カール=ハインツ シュッツ@宗次ホール (2016.4.27.)

シュッツさんの音色は、主張の強い近代的なプレイヤーのそれとは一線を画していて、
そこに彼の音楽家としての特別な存在意義を感じます。

彼の柔らかい音色は、音楽を誠実に捉えていて、無条件に心地良い。

清潔なヴィブラート、繊細なPPのコントロール、
ウィーン風の楽天的なモーツァルト、超難解でありながら意図のはっきりしたブーレーズなど、印象に残っています。

初めて耳にした時から、慣れ親しんだ家具のように心地良いCD
招聘した楽器店の方が、
「彼には、音楽的にも人格的にも、ニコレ亡き後の巨匠感がある」と仰っていました。


ワルター アウアー@クララザール (2016.5.17.)

アウアーさんを聴くのは3度目。

響きも音楽も、だんだん彼自身と一体化していると感じます。
アンサンブルは少し即席だったけど、とても良かった。

プ―ランク、カルメンファンタジー、シュトラウス、アンコールに精霊の踊りを演奏されました。

演奏会後のワインパーティーも日墺協会ならでは。
生徒さん方にも、楽しんで頂けたようでした。

ワインパーティーで生徒さんたちと
【関連記事】 

コフラーさんのマスタークラス http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/11/blog-post_27.html

ブラウ&パユ対談 http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/02/blog-post.html

ニコレの訃報② http://klangjapan467.blogspot.jp/2016/02/blog-post.html

エミリー バイノンさん公開レッスン http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/11/blog-post_12.html

ジャン・フェランディス公開レッスン http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/04/blog-post_10.html

2016年5月8日日曜日

コミュニケーションの手触り

気持ちの良い初夏の晩。
雨が上がって湿気を含んだ夜の風に、歩く先々でミカンの花の香りが混じって。
いい季節ですね。

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ちょっと前に、私の生徒さんや友人とこのブログの話しになった時、
相手はこちらの意図したこととまったく別の事を思っていたりして、「へー、そういうもんかぁ」と思ったことがある。


人間は目の前で話している時、「言語」「声のトーン」「身体言語」でコミュニケーションを図るらしい。

その3つの要素のうち、「言葉」は本来伝えたい内容の7%、「声のトーン」は38%、身体言語は55%の割合で、話し手の情報を認識するらしいのです。(詳細は→コチラ

えっ?7%?!

相手が目の前にいてさえ、言葉の到達が7%なら、
言葉しか発信していない、このようなブログはいったい何を伝えているのだろう?


今やSNS (ブログやFacebookやTwitter、Instagram等)全盛の時代。

本来、人はあるひと時にも様々なことを複合的に考え、思い、感じているはずなのに、
発信する時は、その時々でテーマやトピックを選択している。

そして、誰かの発信するフォーカスされたテキストを、あたかもその人の、その時の全てだと思い込む…。

そんなことも、多かれ少なかれあるような気がしています。


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私が勝手な調子で発信しているこのブログも、言葉のみに依っているのだから、
そもそも何が伝わっているか、はなはだ心もとない。

…そんなこんなを思うと、自分の伝えたかったことを汲み取って下さった方々がいるというのは、ほぼ奇跡ですね。



生徒さんや友人たちとは、直に言葉を交わせる。
目と目を見て話すことが出来る。音や空気を共有できる。

SNSは便利だし、思いもよらない繋がりをもたらしてもくれる。

その恩恵に十分感謝しつつ、
手触りの感じられるコミュニケーション…ひいては自分自身も相手の心根を汲み取る態度をより大切にしたい、と思いながら歩いた晩。

言葉にすると、相変わらずまどろっこしいですけどね。


GW最終日。
どうぞ心地良い週末を ♪

2016年5月4日水曜日

Out of the Standard @ クララザール

連休真っ只中、皆さんいかがお過ごしですか?

私はちょこちょこレッスンが入っていますが、今日の午後はあるコンサートへ。


『Out of the Standard』 というユニット。
自称「クラシック界のハンパ者、スタンダードから外れた奴ら」(?!) のコンサートにうかがいました。

バンドネオン(たまにピアノ)×サックス(ソプラノ・アルト)×ユーフォニアムという、どんなサウンドになるのか予想もしずらい編成に、


ピアソラやヒナステラ、ミヨーと言った南米クラシック(そもそもクラシックと分類するかもナゾだけど…)、
タンゴ、ショーロ、フーガ風ジャズなど、色んなタイプの音楽が、カクテルみたいにミックスされた演目。

・・・編成も演目も「規格外」というコトなのでしょうけど、
プレイの質はトンデモなく高いし、サウンドもよく練り込まれていて。

バンドネオンがサックスと溶け合ったり、ユーフォと溶け合ったりして…異質な楽器どうしだから、全く不思議なのだけど。
もちろんバンドネオン独自の艶っぽさもあり。

バンドネオンはナマで初めて聴きました。
アルフレッド・アーノルドって言う、1947年に倒産した東独の製品で、ピアソラも使ってたメーカーだとか。


この「規格外」の編成による「規格外」の演目を可能にしているのが、
編曲者 啼鵬(ていほう)さんの、ずば抜けてスッキリとしたセンスの良い編曲なんだろうと思います。


もともと啼鵬さんの↑この曲集が好きで、愛奏しとります。
先日の 『Jazzmin Tea Live』 で演奏したリベルタンゴも、この版のでした。
カッコイイですよー、オススメですよー。 (^^♪

それにしても、良いなぁ。
色々なジャンルやスタイルの音楽を、軽々と自在に渡り歩くお三人。
巧いとかそゆことよりも、このことが一番かっちょ良かった。

啼鵬さんのお話に出てきたアルゼンチンは、今年建国200周年だとか。
旅心を誘います。


ホール前の、けやきの並木道。
春も秋も、好きな場所の一つ。

2016年5月2日月曜日

JAZZMIN TEA LIVE 完

2016.4.30. 一気に初夏を思わせる、最高に爽やかな宵、
JAZZMIN TEA LIVEの2ステージ、アツくめでたく終了しました。

1st ステージのお客さまは熱心に、乗り出すように、
2nd ステージのお客さまは、アツく、ノリノリで…。

練習だけでは完結しない「何か」。
それはたぶん音楽そのものの「クウキ」を、その場のお客さん方がいっしょに創り出して下さるから。

だからこそ 『LIVE』なんでしょう。

【Setlist】

◇ Epilogue / Bill Evans  (Pf Solo)
◇ Paro Libre / Ryuichi Sakamoto  (Pf Solo)
◇ Killing Me Softly 
◇ Thema from Mahogany / Diana Ross
◇ Aqua de Beber / A.C. Jobim
◇ Aqua / R. Sakamoto  (Pf Solo)
◇ It Could Happen To You  (Gt & Bs)
◇ Desafinado / A.C. Jobim
◇ Spain / Chick Corea
◇ Oblivion / A. Piazzolla
◇ Libertango / A. Piazzolla
Encore
◇ Sesami Street in Funk (^^♪

棚瀬 尚子 - Flute & Piano
由川 史比古 - J.Guitar 
高田敏実 - Bass

会場の岩田洗心館(犬山市)は、犬山焼きの茶道具を中心にした展示や、ニッチなテーマを扱ったサロン風の会合を催すなど、普段は独特の存在感を放っています。

音楽をする空間としても快適で、聴いて下さる方にも、大変心地良いところだったようです。

Cassis Jazzmin & Maccha Au Lait

当日は、お茶にまつわるライブ限定のバーメニューを…


おキモノでおもてなし頂きました ♡♡♡


…ライブの数日前、ウィーンフィルのシュッツ氏を聴きました。本当に素晴らしかった。
クラシックももちろんアプローチし続けたい。

一方で、自分が開放されて、お客さんにも喜んで頂けるなら、
今回のようなやり方も why not !? と思う。
もともと色んなタイプの音楽を好んできたわけだし。

何はともあれ、いらして下さったお客さま方、ありがとうございました。

それからこのライブを実現し、サポートしてくれたSaeちゃんをはじめ、Mちゃん、Oちゃんにも心からハグを。