2014年12月25日木曜日

楽器選び

今日は、生徒のYさんの楽器選定でした。


今日のラインナップ

Yさんのご希望で、シルバーはマスターズさんのみ。
木管フルートにもご興味があり、2本揃いました。

上から…

〇 アウグスト・リヒャルト・ハンミッヒ (木管)
〇 マスターズ / M997
〇 マスターズ / M970 シーム
〇 マスターズ / M925
〇 Yamaha / YFL-894W (木管)

5本でメルセデスのSLK-Classくらいかな。(⇒調べました (^-^)☆)


シルバーフルートの数字は、銀の純度を表しています。997(=99,7%銀)は純銀に近く、柔らかすぎるので、圧縮加工?を施してあるそうで、音は比較的「シャープで、輪郭がはっきりしている感じ。

970はいわゆる巻き管という作り方。ボディのふくよかな、温かい音に感じました。

925は一般的なフルートに使われる配合。



木管のYamahaは、違和感なく、モダンフルートに近く明瞭な感じ。

ハンミッヒは、慣れるのに少し時間が必要かと思いましたが、Yさんとは相性の良い楽器でした。ドイツ的でボディのある、でも木のぬくもりを感じさせる楽器でした。


というわけで、今日はA・R・Hammig と、マスターズの巻き管が、選択肢に残りました。
もちろん、全く異なった選択肢なのですが。

どう着地しますか、ね♪



最後に…Yさんのお仕事場にあった、自販機にプリントされたネコちゃん 。(笑)特注とのことです。


2014年12月24日水曜日

♫♪ ♫♪ ♫♫♪

この冬,日本を席巻したVoces8。

Jingle Bells, Jingle Bells...  ♫♪ ♫♪ ♫♫♪



Frohe Weihnachten !
心地良いクリスマスを!

2014年12月23日火曜日

上野星矢 FL コンサート @ サラマンカホール

今日は、岐阜県が誇るサラマンカホールで行われた、上野星矢 フルートコンサートへ。
ワンコインの枠で企画された、画期的なコンサートでした。

生徒さんにも大勢お会いすることができました。

会場はかなりいっぱいで、お子さん連れも多かったです。

Twitter より拝借

上野 聖矢 - フルート
内門 卓也 - ピアノ

【プログラム】

♪ シリンクス / ドビュッシー
♪ ≪デジタルバード組曲≫より  ”鳥恐怖症” ”夕暮れの鳥” ”鳥回路” / 吉松隆
♪ ヴォカリーズ (e-moll) / ラフマニノフ
♪ リノスの歌 / ジョリヴェ
♪ サイレント・イブ / 辛島美登里
♪ 海を見ていた午後 / 松任谷由実
♪ 後悔と決断 / G.ショッカー
~アンコール~
♪ I love You / 尾崎豊
♪ 春よ、来い / 松任谷由実 ~岐阜御嶽山噴火の被害に寄せて



第1曲目のシリンクスでは、後ろの方で子供が泣いたりしていて少し気になりましたが、上野さんの力でしょうか、音楽の力でしょうか、すぐに「泣く子も黙る」、(…でも心地よい)空気に包まれていきました。

上野さんの音色(の密度)は色彩的で、特に濃淡を使い分けていると感じます。響きのど真ん中を逸らしてでも、音色に変化を与えていると感じること、しばしば。

その点を、通奏低音を基軸とするドイツ的な音色というより、フランス的だな…と感じたのですが、皆さんはどうだったでしょうか?

何より上野さんは、呼吸(の吐き方)そのものが音楽的であり、いわゆる歌もの(ヴォカリーズやリノスの一部分、ポップス)はハートと直結した説得力があります。彼の素晴らしい持ち味だと思います。

今日は、曲の合間にトークがありました。

上野さんの声ー低音の柔らかい話し声は、「すでに」身体に響いていましたね。



一方で、リノスやショッカーにあった技巧的な速いパッセージは、(例によって)速すぎて、本来の音型を見失ってしまうことがあります。

以前、ダヴィデ・フォルミザーノというフルーティストの演奏を何度も間近で聴きましたが、彼の場合はどんなに技巧的で素早いパッセージも、一音一音が艶やかで、常に「歌」を含んでいるのです。

フォルミザーノ氏は、元ミラノ・スカラ座の首席奏者だったので、いつも極上の歌手を聴いていたのでしょう。フルーティストでありながら、彼も濃密な「ベル・カント(=よく歌う)」奏者だと思います。

コソ撮り


話は飛びましたが、上野さんがワンステージに込める思いの強さや、誠実な態度というものを、いつも好ましく思っています。

この地域に影響はありませんでしたが、岐阜の御嶽山の噴火に思いを寄せ、音楽を通じ「祈って」下さいました。

リノスやショッカーは、Liveで聴くとやはりドキドキします。内門さんとのアンサンブルも、以前より進化しているように感じています。

アンコール相談中


音楽の感じ方は、皆各々自由。皆さんにはどのように響いたか、ぜひお聞かせください!特に『リノスの歌』など、皆さんにはどんな風に聴こえているのか、お子さんは何を感じたのか等、とても興味深いです。


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2014年12月22日月曜日

終わりなき憧れ

岐阜シティタワー43での冬のミニライブ。
前日までの凍てつく寒さとはうって変わり、太陽のぬくもりに恵まれた日曜日でした。

告知が十分に行き届かなかったにも関わらず、1stステージ・2ndステージ共に、数十名のお客様にご来場、お立ち寄り頂きました。





本番を終え、生徒さん達にかけた第一声は、「(良くも悪くも)練習通りでしたね」でした。

我ながら、「あーなんて夢のない言葉をかけてしまったのだ…」と、反省しています。



でもね…

一般的にアマチュアの方々は、得てして本番が一番良い感じで終わることが多いのです。

本番の緊張感が、普段以上の集中力を生むからです。逆を言えば、その集中力を練習では出し切っていない、ということですよね。


なので、今回「練習通りの演奏だった」ということは、普段の練習(=レッスン)から、各人がかなり高い意識と集中力を持って参加しておられるのだ、ということを感じたわけです。

「もっとこうしたい!」「もっとああだったら素敵なのに…」という、願いの止まないレッスンは、生徒さんも時に大変かもしれません。

でも終わりなき憧れを探求するのが、音楽の素晴らしさの一つであると、私は思うのです。

Easy で Instant で Comfortable なものが、今の世の中においてあまねく享受されていることは、私も肌で感じています。

だから、音楽に対するこの終わりなき憧れや希求というものが、このような時流に対する、私のささやかな抵抗なのかもしれません。

もちろん、普段は無意識でしていることなのですが…。



本番が終わった直後は、テクニカルな事ばかりが頭によぎります。(なので冒頭のドライなコメントになってしまいますた…笑)

でもね…

次第に、生徒さん達と共に真摯に音楽に向き合い、作り上げていくことの喜びがふつふつと湧き上がって来ています。

ましてや、私たちの音楽の輪が多くのお客さんにも伝搬したのではないか、という実感は、指導者にとって最高の贈り物ではないか、と感じています。



また、今回参加されなかった他の生徒さん方にも、心を合わせることの愉しさを是非知って頂きたいと願っています。

機が熟したら、「ゆったりアンサンブルコース」なるものを立ち上げたいなと考えています。早く実現できると良いな (^-^)☆


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2014年12月19日金曜日

アンサンブル クラング 冬のミニLive チラシ

こんにちは。
今年もあと2週間を切り、迫るホリデーシーズンにワクワク…というよりは、せかせかした毎日。

間際になってしまいましたが、岐阜シティタワー43 のホームページに、アンサンブルクラングのミニライブのことが、告知されました。

(このチラシは下記のHPより、ダウンロードできます)

http://www.gifucity-tower43.jp
http://news.gifucity-tower43.jp/2014/12/klang-christmas.html

フルートの響きに合う素敵なホワイエですが、人通りが少ない場所なので、皆さんの目に留まるかちょっと心配しております。

耳なじみのある、温かいプログラムです。より多くの方々と分かち合えたら、嬉しく思います。



2014年12月5日金曜日

アンサンブル クラング 冬のミニライブ

フルートアンサンブル Klang 冬のミニライブ♬

~ひと時の、冬の癒しLive。ほっこりと、ゆったりと~


2014年12月21日(日)
13:30~ / 15:30~ 
※各ステージ、同じプログラムです。
 
岐阜シティタワー43 
1階 アトリウム

※JR岐阜駅 徒歩1分
※入場無料


≪Program≫
◆ エクローグ
◆ ヴィヴァルディ / 『冬』 より
◆ My favorite things
◆ Moon River
◆ Eternally / 『ライムライト』より
◆ チャイコフスキー / 花のワルツ
                ~『くるみ割り人形』より



フルートの音色がぴったりの、素敵なホワイエ。
気軽にお立ち寄り下さい。

2014年12月2日火曜日

高木綾子さん 公開レッスン & ミニコンサート

12月に入りました。

一昨日11月30日に、大垣市のスイトピアセンターにおいて、高木綾子さんの公開講座とミニコンサートが行われました。

大垣東中学校2年生の生徒さんと、加納高校2年生の生徒さん、30分ずつのレッスン。
(曲目は『歌の翼による幻想曲』と、テレマンの『12のファンタジーより12番ト短調』)

一線のプレイヤーならではのお話が興味深かったので、メモがてら記しておきます。

【公開レッスン】



○写真⇒何を言われているか、分かりますよね?

○自分の音を聴くとき「右耳」で聴いてみる。左耳は歌口との距離が近く、音色がタイト(又はクローズ)になりやすい。響きが「個人的な」ものになってしまいがちで、自分にはよく聴こえるが、飛んでいかない。歌口でなく、管で鳴っている方の音、つまり右耳で聴くとバランスが取れる場合が多い。(録音マイクも、歌口でなく管の方で拾うようです。)

○構えた時「ふところ」にスピーカーを抱えているようなイメージで。

○バロック音楽では「早い・明るい・軽い」「遅い・暗い・重い」がセットで対比されている。

などなど。。。


指導する者の立場としては、自分とは違った言葉の表現方法やインスピレーションが、非常に新鮮でした。自分の言葉は、ある程度パターン化されていくものなので、私にとっても良い刺激になりました。


【ミニコンサート】

高木綾子 Flute
荘村清志 Guitar

1. ハバネラ形式の小品 / ラヴェル
2. イマージュ / ボザ
3. アルハンブラの思い出 / タレガ
4. 海へ より 「白鯨」 / 武満徹
5. タンゴの歴史 より 「ボルデル」 / ピアソラ

アンコール: 間奏曲 / イベール

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チケットが早々に完売したため、私は行けなかったのですが…
11月29日に行われた、サラマンカのガラコンの模様、高木さんご本人やホールがアップしていらっしゃいました。

ガラコンの様子↓
http://ameblo.jp/takagi-ayako/entry-11958498959.html

サラマンカホールのFacebook↓
https://www.facebook.com/salamancahall


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ロングトーンのススメ ①
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フルート教室のご案内 
http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page.html

2014年11月24日月曜日

Lauterbrunnen

スイスのラウターブルンネン

氷河に削られてできた、U字の谷に位置する村。
ドイツの文豪ゲーテが、作品を執筆していた場所。

地名の意味は、「音の鳴り響く泉」。
twitter より

ラウターブルンネン

こんなところで、笛、吹いてみたいな。

2014年11月15日土曜日

フルートの可能性

ある日、生徒のAちゃんが「先生~、私尺八習おうと思うんですけど!」と言いました。

西洋のフルート奏者の中には、尺八そのものを習ったり、フルートの拡張奏法の一つとして尺八を真似たりする人も少なくありません。

中でも、この分野において圧倒的なパフォーマンス力を持つ、この方を思い出しました。

Wil Offermans - ウィル オッフェルマンズ さん。

フルートのいわゆる『現代奏法(拡張奏法)』を駆使し、オリジナルのフルート曲を創作されています。奥様は、薩摩琵琶奏者の上田純子さん。

先ずは、元々尺八の曲である「鶴の巣籠り」を紹介します。
オッフェルマンズさん自身がフルート用に書き下ろした作品です。




怪演」…(笑)ー東フィル・斎藤和志さんのお言葉です。

だってそうでしょう?
ここでは私たちが普段吹いている、一般的なフルートの音色はほとんど使われていません。

西洋的な美しさとはむしろ対極にある、押し殺したような音色(=バンブートーン)やはみ出したような音色(=ウィンドトーン)。西洋音楽には無い音程感覚や、ヴィヴラート幅の多様さ。日本音楽独特の「間」という、緊張感をはらんだ時空。

…このような拡張奏法を用いることによって、西洋→東洋という文化の枠を易々と飛び越えてしまいました。

単に「尺八を真似ている」と、私は思いません。

なぜなら、このような特殊な奏法を「音響の素材」として切り貼り(=コピペ)したのではなく、日本音楽における哲学や美学への深い理解と鋭い感受をもって、このような演奏を可能にしているからです。


もう1曲は『Ilios(=イリオス)』
ギリシア神話に出てくる架空の都市だそうです。



「怪演」

この演奏には以下のような、「拡張奏法」が用いられています。


○ウインドトーン (呼吸をエッジの外側に散らした、尺八のような音)

○ハーモニクス (倍音奏法)
○差音 (本来の音階には無い微分音程。西洋音楽ではしばしばノイズとされる音程)
○バンブートーン (特殊な運指によって、音色の輝きを消す)
○マルチフォニックス (重音奏法。倍音を利用して、同時に2つの音を吹く奏法)
○ウィスパートーン (ささやくようにかすかな、口笛のような音)
○声とフルート
○循環呼吸


これらは音響的な「効果」として面白いばかりでなく、音楽そのものの在り方として多彩であり、豊かです。

この曲は、20年ほど前には録音済だったと記憶しています。



…いかがでしたか?(^o^)/

普段私たちが目指しているフルートの音色は、余計なものをそぎ落とし、音響の核に迫っていくイメージがあります。一方、上記のような「拡張奏法」は、先ほど述べた「音響の核」からまさに「拡張」された音の世界だと言えましょう。

オッフェルマンズさんは、創作の着想を、世界各地に有す「民族音楽」から得ることも多いようです。

ある意味「型」の中に収めていく西洋音楽の美学とは別に、「そうじゃなくても良いんじゃない?」「そうじゃなくても面白いんじゃない?」という、視点があると思います。

このようにさまざまな意味で異なった音響文化を、フルート1本で飛び越えてしまう、オッフェルマンズさん。

そして私たちが日々手にしているフルートの可能性について、改めて思い起こしたのです。


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2014年11月9日日曜日

聖夜の星矢

乾いた空気に、雨の雫が心地良いです。

7月の工藤重典さん、11月の工藤さん+高木綾子さんに続いて、12月にもステキなフルーティストが岐阜市のサラマンカホールへいらっしゃいます。ええがね、サラマンカ♪
上野 星矢 さん
ヨーロッパでも大活躍中の上野星矢さん。折しも今日、 『2014 Young Concert Artists International Auditions』という若い奏者を発掘するオーディションで、6人の勝者のうちの1人になった、というニュースが飛び込んできました。

木・金管ではただ1人の受賞。アメリカで少なくとも3年間、コンサートをマネージされるという副賞がついているようなので、これからは日本とヨーロッパのみならず、アメリカも彼の活動の範囲になる、ということですね。

そんな未来ある上野さんが、サラマンカのワンコイン、500円シリーズに登場です。 (ホールの企画に感謝♪)

上野さんの演奏は、名フィルとコリリアーノの「ハーメルンの笛吹き」を聴いた印象が鮮烈に残っています。この曲は、一般的なコンチェルトのスタイルではなく、題材を反映したストーリーや演技が一体になっています。(共演した子ネズミちゃん達のフルートもかわゆかったなぁ。)

とにかく、現代曲としての技術も難解でしたが、一音一音明確で、非常に魅了されました。

以来、名古屋でのリサイタルを、数回聴かせて頂いています。若者らしくスピード感があり、色々な意味で年齢相応の刹那的な演奏であるとも思いました。

チラシよりも実物の方が、ずーーっとシャルマ~ン(=チャーミング)な方です。

3歳から入場できる貴重なコンサートですが、いつものワンコインのシリーズより、しっかりとしたレパートリーが入っている気がします。

ドビュッシーを皮切りに、1900年代の作品が並んでいます。ドビュッシーの「シリンクス」は「魔法の笛」という意味ですが、ピアノ伴奏のないソロ曲ですから、サラマンカホールの素晴らしい響きや空間を、どのように使ってマジックをかけるのか、楽しみです。

Youtubeには「デジタルバード組曲」の抜粋がありましたので、参考にどうぞ。「現代曲~」と恐れるほど、聴く分には難解ではありません。むしろ、デジタルにバチーっと合っていて、カッコイイですね。


上野さんは、吹奏学部に入部しておられたとかで、このことをフルート体験の原点としていらっしゃるようです。毎日ルーティンのようにして部活動を行うよりも、たった1日部活をお休みしても、このような演奏を聴く事は、後々豊かな指針となるはず。

部活動でフルートを吹いている子は多いはずなのに、岐阜での演奏会で、制服組はほとんど会場に見られません。(浜松辺りだと、制服組をよく見かけます。さすが楽器製造のおひざ元だなと思います。)

その上野さん、3rdアルバムを出されるのだとか。J-Popのカヴァーだそうです。

「言葉をフルートで表現するためのアーティキュレーションにかけた時間、はっきり言ってバロックのフルートソナタと同じくらい研究しました。生半可な気持ちでカヴァーはしません。」

音楽の素晴らしさを伝えるのにジャンルを飛び越え、しかもポップスを吹くにも真摯な熟考があり、素晴らしい心意気だと思います。何より、彼の歌心は音楽への真心と通じていて、説得力があります。

前売りがすでに始まっていますので、どうぞお出かけ下さい♪ 

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サラマンカ500シリーズ~上質な音楽を気軽に~
聖夜は、セイヤで。家族で楽しめるクリスマスコンサート



フルート/上野 星矢  ピアノ/内門 卓也
まるで、べつの星からやってきたようなフルーティスト。
その音は、きくものの心を射る矢のようです。

ランパル国際フルートコンクール優勝。
アルバム『万華響』、『DIGITAL BIRD SUITE』が『レコードアカデミー』連続受賞。
クラシック、現代音楽、ポップスというジャンルにこだわらない「わかりやすさ」と「通好みの音楽性」、
まさに新時代の音楽家の登場です。
【同日開催】 無料・チケットレス 0歳からOK!
2014年12月23日(火・祝)14:00開演(13:30開場)
※3歳からお楽しみいただけます。

【プログラム】

ドビュッシー:シリンクス
吉松隆:《デジタルバード組曲》より 鳥恐怖症、夕暮れの鳥、鳥回路
ゲイリー・ショッカー:後悔と決断
ジョリヴェ:リノスの歌
松任谷由美:海を見ていた午後
辛島美登里:サイレント・イブ  ほか
※プログラムは変更される場合がございます。

【関連記事】上野聖矢 FLコンサート @サラマンカホールhttp://klangjapan467.blogspot.jp/2014/12/fl.html


2014年11月6日木曜日

ロングトーンのススメ ①

言うまでもなく、フルートは自分で音を作る楽器なので、曲やエチュード、音階や分散和音と言った技術練習とは別に、音作りの練習が欠かせない楽器です。

それが「ロングトーン」の練習です。
文字通り長い音を保持する練習であり、音程・強弱・明度・ヴィブラートなど、音に関する様々なニュアンスを作っていく、練習方法の一つです。



白状すると、私はこのロングトーンの練習を、ある時期全く不毛に感じていたことがありました。
フルートを初めて、ン十年も経つというのに、「またこの練習か!」とウンザリし、多大な忍耐を要した時期があったからです。

加えて、例えばエレクトーンのように、作音自体が電気信号であり、吹き手の調子によって出来不出来のない楽器が、心底うらやましく感じたこともありました。

ただ、折に触れていつも思うのです。
「ロングトーンの練習は裏ぎらないなぁ」、と。
音楽をする上で、最も大切な土台になってくれているなぁ、と。



ただ必要性は分かっていても、モチベーションが湧かない…。



そんな時期に出会ったのが、先のブログに述べたクリス・ボッティというジャズ・トランペット奏者の一言。

「朝起きてヨガをするように、(ロングトーンを通して)自分の身体の声を聴く」

Chris Botti
なるほど、私たちの心身は、毎日状態が違います。
そのことは、呼吸にも表れてきます。
「違って良いのだ」→「違っているなら整えよう」
そんな意識が芽生えたのです。

ましてや、クリス・ボッティのあれほどまでに良くコントロールされた、美しい音色を持つ人の習慣ならば、傾聴に値すると思いました。



そして更なるモチベーションのきっかけは、夕方のニュースで見た、新潟で最高級の爪ヤスリを製造する、90歳の女性職人のレポートでした。爪ヤスリの目を立てるという作業を、来る日も来る日も続けていて、その品質は若い職人には真似ができないというのです。

同じ作業を毎日繰り返す中で、研ぎ澄まされた感覚を刻み、その感覚を蓄積させていったのでしょう。この方の在りようも、私たちと同じではないか、と。

90歳の爪ヤスリ職人さん

音作りの代表的な教材にマルセル・モイーズの『ソノリテ』がありますが、大事なのは「何を」練習するかというより、「どのように」練習するか、です。



ロングトーンを何の理想もなく、何の考えもなく、何の観察もなく行うことほど無駄なことはありません。長く保つ1音の中にも、様々な観点でその音を、・・・ひいては演奏を実現する自身の身体を見つめる事は、とても面白いものだ、とこの頃は思えるようになりました。

この練習をした後は、神経伝達がスムーズになり、脳と呼吸・唇・指などの回路がより良く繋がったと感じることができます。もちろん、その後に行う技術練習を持って、それらが統合された感覚はより確固なものとなります。



折しも、先日NHKの『プロフェッショナル』という番組で、ヴァイオリニストの五嶋みどりさんがフォーカスされていました。
世界的ヴァイオリニストである五嶋さんが、毎朝1時間のロングトーンを欠かさない、というのです。一音一音、響き、弓の運び、音程感、ヴィヴラートをチェックしている様子が映し出されました。またこの練習によって、微妙な音色を聴き出す「耳」の可能性を探っているようでもありました。

Midori

五嶋さんの音楽家としての姿は、さながら求道者、或いは修道女のようにも見えて、正直息が詰まるほどでした。

ただ、彼女の求める音楽性と、それを実現する高い技術の統合は、このようなベーシックな事から繋がっているのですね。そして、ある年齢から生じ始める神経伝達の齟齬をつなぎ止めようと、このような練習を欠かさない訳が、私にもよく分かる気がしました。

ロングトーンについては、またお話しする時があるだろうと思います。
今日は、そこに向かうまでの、気持ちの持ちようについてのお話しでした。


【関連ブログ】
アンビヴァレント
自然体の作り方
ジャン・フェランディス公開レッスン


2014年11月1日土曜日

朗読会へ

今日は朗読会に足を運んでみました。
生徒のSさんが参加しておられるのです。


初めて「朗読会」なるものの存在を知ったのは、ドイツにおいてでした。詩や文学作品などを、朗読を通して味わう、というものです。ただ在独当時、ドイツ語でのそれは少しハードルが高いように思われて、体験する機会を逃してしまっていたのです。

今日は「華岡青洲の妻(有吉佐和子)」といった硬派な文芸作品から、庶民の生活の中に人間の心の襞を写し取った「かわうそ(向田邦子)」、方言で味わう「かっぱのよめっこ」や古典落語の「七度狐」という、大変バラエティに富む内容で、とても愉しめました。

朗読会 演目


「華岡青洲の妻」が始まった時、お客さんの気が静まって、一言一句、高度に集中している様子が伝わってきました。並みの音楽会より、密度の高い集中力です。音楽におけるある種の抽象性と、言葉の具体性。聴き手のキャッチの仕方が異なるようです。

聞くところによると、朗読をする人はお客さんの方を見てはいけない、とか。これは朗読者本人の「個」を滅して、作品そのものを際立たせようということだと理解しています。

音楽をする者も、本来は同じ境地だと思います。(目線に関しては、また別の考え方ですが)「オレ、オレ」と主張する個性よりも、引き算してなお滲み出る個性のあり方を、私はより尊いと感じます。何より、作品が主役なのです。



Sさんは、朗読とフルートを吹く事は似ている、と仰います。

呼吸だとか、支えだとか、音響に直接的に関わってくることもそうですし、文章を「単語からフレーズに」流れをまとめていく、ということにも、類似性を感じるそうです。

分野が違っても、共通する真理を見出すこと。これって人生の喜びの一つだな、と思うのです。

Sさんの他にも何人か、お話が「見えて」くる読み手がいらっしゃいました。登場人物のキャラクターだったり、情景描写だったり、季節だったり、温度だったり、そのお話しが立体的に想像されるのです。素晴らしい体験でした。

「美幸会」という朗読会の皆さんの真摯な取り組みは、人間の良心そのものだという気がします。良い勉強をさせて頂きました。そして何より、一人の聴衆として愉しませて頂きました。
 
 
【関連記事】
 
「葉っぱのフレディ」プロジェクト http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/06/blog-post_12.html

2014年10月27日月曜日

ミニ ライブ

一昨日、本番がありました。今風にいうと、インストア ライブというのでしょうか。
何のことはない、講師を務める楽器店の軒先で行った、ミニライブですけども。




今日の共演は、ジャズがご専門の方々。ジャズ界のカリスマ、菊地康正氏ともライブ経験があるというお二人。

なにしろ、当日になるまで完成形が見えなかった(=ベースのTさんとは、当日初めて合わせた)ので、スリル満点。
ただ音楽人の呼吸は、ジャンルが違っても、ある程度は相通じるもので、愉しいひと時でした♪

とは言え、私自身は本格的なジャズのインプロヴァイズ(=即興演奏)を奏するには至らず、その方法を体系的に学ぶことへの興味も出てきました。



「その瞬間の中に起こる、新鮮なひらめき」がジャズの最大の魅力だと思います。

先のブログで書いた、トリフォノフの演奏が「即興性に溢れている」と言われているのも、こういった瞬間のひらめきを大切にしているからです。(彼の場合、練習の段階で様々な音楽表現の手数を試し、本番でコレだ!と思うものを選んでいるようです。)

クラシック音楽には、無意識の隙間がないほど、一瞬一瞬に音楽的意図が隠れています。しかもそれらを大きな流れの中で統合し、その連なりがあたかも自然であるように形作って行くという側面があると思います。

私見ですけれども、ジャズはそれほどの意図的密度を感じさせません。ジャズにある種の浮遊感や脱力感を感じるのはそういう訳かもしれません。一方で、即興演奏においては格別の覚醒感や開放感があり、そこには素敵なスパイスが散りばめられています。その対比がジャズの面白いところではないかと感じています。



・・・今日はお客さまの中に、とりわけにこやかに聴いて下さった方がいらっしゃって、励まされました。菊地康正さんにジャズフルートを習っておられる、という方でした。どんなレッスンなのか、興味津々。ぜひお話をうかがってみたいと思っています。

早速体験レッスンの申し込みもあり、良かった、良かった。


【お詫びと訂正】
文中、菊地康生さんを菊地成孔さんと勘違いしておりました。
全然違うやないかい!というノリツッコミと共に、11月吉日、訂正致しました。
伏してお詫び申し上げます。


2014年10月20日月曜日

ベートーヴェン Haribo

外はしばらくぶりの雨。

トリフォノフの音楽の余韻が、生活の端々に残る一週間でした。

生徒のSさんは、ゲルギエフ+マイリンスキーの名古屋公演に足を運ばれ、トリフォノフのチャイコンを堪能なさったとか。ソロリサイタルとはまた違った魅力を放ったことでしょう。

そのSさんと、こんな事を話しました。…例えば、一瞬を切り取る絵画の世界とは違って、音楽は時間の流れがあり、その中で多様な移ろいがあるせいか、その楽しみは持続的であり、心を一層豊かにしてくれますね、と。



ところで、全く話しは変わりますが…
このお菓子、見たことありますか?

ドイツの Haribo ハリボと言う、グミのお菓子。日本では、クマの型をしているものをよく見かけます。
















このハリボの本社は、ドイツのボンという街にあり、ご当地ハリボがあるそうなのです。ボンと言えば…


あはは。畏れ多くて食べられません。
真っ赤なベートーヴェン、炎の人と言われるイメージによく合っています。




黄色いのは、若干ハイドンに見えなくもありませんが、これも『The B』です。




青はほとんど判別不能(笑)アンタ誰?状態。
しかも青ざめたベートーヴェンなんて、らしくありません。

ボン大学に通っていた友人から貰った、おみやげでした。
子供たちに人気の、極めて日常的なお菓子に、こんな楽聖が使われるところがドイツらしいなぁと思います。


これから一雨ごとに秋が深まります。この頃は日中の寒暖差も大きいので、皆さんどうぞご自愛下さいね。

 
追伸:
サポート終了後も使い続けていた Windows XP が、半年を経て完全に機能しなくなり、しばらくは携帯やタブレットからの更新になりそうです。

2014年10月11日土曜日

ダニール トリフォノフ 2014 神戸

「行くべきか」「行かざるべきか」ずっと悩んでいた、ダニール・トリフォノフのピアノリサイタル神戸公演。前日になって「行ってまえ~」となって、神戸文化ホールへ向かいました。神戸国際フルートコンクールにおいて、数々のフルーティスト達を輩出してきた、あの会場と同じ。

この会場は昭和レトロの雰囲気を残しています。ホールはドライ(=残響がほとんどない)な印象です。

神戸文化ホール

トリフォノフを最初に知ったのは、2010年のショパンコンクール。ポーランド人の友人、マレク・ブラハが出場していたので、しばしばネット中継を見ていました。その時、トリフォノフは本選で3位になりましたが、予選の時からとびきり美しい音色と、「ショパンの再来」と言われるほど豊かで直感的な音楽性が際立っていて、トリコになってしまったのです。(その後、ルービンシュタイン、チャイコフスキー両コンクールで1位となっています。)


Daniil Trifonov


そのコンクールで聴いたショパンのコンチェルト1番 / 第2楽章は、私の葬儀に使いたいと思っているほどです。この映像がまさにそれ。ショパン20歳の作品、トリフォノフは19歳でした。




…それ以降、3回目の演奏会。上の映像よりも一段と進化(=深化)した、23歳。

予約時「最前列正面、空いてます。」の一言に惹かれ、今回はミーちゃんになることに。だから本当に「観た」のです。マジマジと、目の前で。



心に深く残ったのは、ベートーヴェンの晩年、最後のピアノソナタになった32番。
こちらのサイトに、作品に関して興味深い事が書かれています。以下抜粋。)

仏教に「解脱」(げだつ)という言葉がある。

解脱とは「束縛から離脱して自由になること。現世の苦悩から解放されて絶対自由の境地に達すること。涅槃(ねはん)」とあるが、これが「ベートーヴェンの到達した境地に近いのではあるまいか。」

トリフォノフの演奏も、まさにそのような解釈であり、演奏だったと感じます。全ての苦悩から解放され天に昇っていく様が見えたからです。涙が溢れました。このような境地を示すことのできる、23歳。一生聴き続けたい…私にとっては、そんな音楽家です。



…後半のリスト。何度も何度もさらってきたはずなのに、今そこで生まれたかのような、新鮮な一瞬一瞬を立ち上げます。表情や呼吸などを間近で見ると、彼の肉体や精神のありようが、どんなにその「一瞬」にかけているか、感じられました。だからこそ、足を運んでライブを聴けた喜びは、ひとしおでした。

その極限の集中力は、半ば「憑依」しているようにも映ったほどです。ただ以下のインタビューを読んでみると、その高度に集中した状態は、ヨガや瞑想、気功によって、鍛錬されていることがうかがえます。

本人曰く、「私たちピアニストも、自分の体と心……つまり音楽を創るための楽器を“調律”して本番に臨む必要があるのだと思います。」

http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1091

いやぁ、そうなんですけどね… how...!? どのように応用しているのか、興味深いところです。



帰り道、ホールから駅までの並木道を、ゆっくりと歩きました。いつも最高の幸福感を与えてくれるトリフォノフ、今度はいつ、どこで聴けるかな。

いつも長いブログになってしまいます。最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

【プログラム】

バッハ/リスト編:幻想曲とフーガ ト短調 BMV.542  Bach / Liszt Fantasia and Fugue in G Minor, BWV 542

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111  Beethoven: Piano Sonata No.32 in C Minor, Op.111

- - - - - - - - - - - - -

リスト: 超絶技巧練習曲より  Liszt: From Etudes d'exécution transcendante S.139/R.2b

 第1曲  ハ長調「プレリュード」 No.1, in C major, "Preludio"

 第8曲  ハ短調「荒野の狩」 No.8, in C minor, "Wilde Jagd"

 第3曲  ヘ長調「風景」 No.3, in F major, "Paysage"

 第4曲  ニ短調「マゼッパ」 No.4, in D minor, "Mazeppa"

 第5曲  変ロ長調「鬼火」 No.5, in B-flat major, "Feux follets"

 第2曲  イ短調 No.2, in A minor

 第9曲  変イ長調「回想」 No.9, in A-flat major, "Ricordanza"

 第10曲 ヘ短調 No.10, in F-minor

 第11曲 変ニ長調「夕べの調べ」 No.11, D-flat major, "Harmonies du soir"

 第12曲 変ロ短調「雪かき」 No.12, B-flat minor, "Chasse-neige"


トリフォノフ 2014 神戸 アンコール 19番も。

2014年10月8日水曜日

自然体のつくり方

私のレッスンでは、しばしば「身体と楽器の関係」について話題になります。フルートを吹く上で、とっても「効く」であろう本がありましたので、ご紹介します。

自然体のつくり方 - レスポンスする身体へ
斎藤孝著



Amazonのレビューなどでも紹介されていますが、私なりにまとめてみます。

一流のスポーツ選手・武道家・音楽家・舞踊家・また伝統文化を継承する大家の人たちは、共通して持っている身体感覚があります。それが「自然体」です。

この「自然体」が、各人の身体を通したパフォーマンス能力を、最大限発揮させます。


『自然体』とはなんでしょうか?

からだに中心軸が通っていて、安定感があり、リラックスしながらも覚醒しているような身体のありかた。単なる脱力の状態とは異なります。

そしてこのような状態は『上虚下実(じょうきょかじつ)』によって得る事が出来ます。


『上虚下実』とはなんでしょうか・・・?

上半身の力は抜けていて、下半身は地に足がついた力強さと粘り強さがある。臍下丹田(せいかたんでん)には力が入るが、みぞおちの力は抜けている状態のこと。


自然体からレスポンス(=反応)する身体へ

臍下丹田を中心にした呼吸、上虚下実の状態では、のど元やみぞおちがほぐれて、呼吸が深くなります。呼吸が深くなると余裕が生まれ、レスポンスしやすい体となります。(※注:つまり、楽器を吹く際に必要な神経伝達を、よりスムーズなものとするのです。それは各人の持っているポテンシャルを、より発揮しやすい身体となります。)


レスポンスが上手くいかない状態とは…?

硬くなっていたり、閉じていたり、鈍くなっていたりする状態のこと。身体のサインとして表れるのは「肩に力が入って力んでいる」「眉間にしわを寄せる」「のど元を締める」「みぞおちを固くする」「手首の力が抜けない」など、身体のあちこちに「ブロック」を作ってしまうことです。(※注:フルートの場合、これらの現象はのびやかな呼吸をさまたげ、指や舌への神経伝達を困難にします。)


精神への作用

上記のような身体感覚は、精神へも作用します。「集中力」「決断力」「行動力」を高めます。自然体とは(身体の)内側へのみの集中した状態ではなく、むしろ外側へ配慮する、開かれた構え、ということです。

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本の概要をお伝えするのは、なかなか難しい…。舌足らずな表現だとは思いますが、要点はお分かり頂けたでしょうか?

頭で理解すること、そして体が覚え、自動化することは、過程が違います。体は同じ事を継続しなければ、筋肉や神経に定着しません。それでも先ず「理解」の方向が違っていては、時間をロスするばかりです。

私は何人かの生徒さんと、上記の一部を試してみました。臍下丹田を源として、頭頂は天へ伸びゆくイメージです。(アゴは大地の方へ) 片足で立つなどすると、体の中心軸を持っているかどうか、更にはっきりします。このように得られた呼吸は非常に安定し、音にも生命が宿ります。

また小6のAちゃんは、この立ち方で音にキープ力がついただけでなく、集中力が増し、この頃はとても充実したレッスン内容になってきました。

子どものレッスンをしていると、全身がくねくねとして頼りなく、しっかり立つことすらおぼつかない子が少なくありません。当然呼吸の源も不安定で、音が決まらないのです。(一方で、子どもは自然を取り戻すのも早いのですが。)「しっかり立つ」という行為に対し、メンタルな作用が得られるというのは、興味深いところです。

余談ですが、吹奏楽の現場では、楽器を持つやいなや夏のコンクール用の難しい曲を与えられ、子供はそれをがむしゃらになってさらうので、どこもかしかも不自然で、無駄に緊張した奏法を身につけてしまうケースが見られます。このブロックを解くのは容易ではありません。

また大人も、身体の使い方のパターンに関して、長年の蓄積があるために、無くて七癖だなぁと感じる事があります。私自身にも言える事ですが、身体に対する客観性を保つ、(願わくば耳を通じて)身体と会話する、という感覚がとても大切です。


【関連記事】

ジャン・フェランディス 公開レッスン http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/04/blog-post_10.html

高木綾子さん 公開レッスン http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/12/blog-post.html

ロングトーンのススメ ①  http://klangjapan467.blogspot.jp/2014/11/blog-post_6.html 

フルート教室のご案内 http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page.html

2014年10月5日日曜日

Eternally

この週末は充実していましたよ。

『アンサンブル・ラロ(室内楽)』 大垣市 スイトピアセンター音楽堂
『アルゲリッチ、私こそ、音楽(映画)』 伏見ミリオン座
『五木寛之 講演会』 長良川国際会議場
『神田寛明 フルートリサイタル』 ドルチェ楽器 名古屋店

どの演目も大きな満足感があり、お腹いっぱーいです。


「アンサンブル・ラロ」

後半のブラームスが素晴らしかったです。日・墺・露・ラトヴィア・ルーマニアという多国籍なメンバーによる室内楽。同時に、帝都ウィーンの文化の拡がりを感じさせます。ピアノのダイアナ・ケトラー Diana Ketler さん、素晴らしい寄り添いやリードを聴かせてくれました。ウィーンの響きは、ドイツの音色よりも柔和で、また違った良さがあります。

Aちゃんが懸賞でこのコンサートのチケットを当てて、誘ってくれました。ありがとう♪

アンサンブル・ラロ

「アルゲリッチ、私こそ、音楽」

アルゲリッチを知っている人ならば、三女が撮影した彼女の素顔を存分に楽しめると思います。彼女の自然で本能的な生き方は、世間から見れば異端です。例えば、3人の娘は各々父親が違います。各々の娘に対し、違った母性を見せるのも面白い。それでいて、(今となっては)家族との、少なくとも娘たちとの調和は取り戻したようです。それでも「何かが欠けている。それが何か分からないけど」と、悩む姿すら隠しません。


90年代に、ベルリンでアルゲリッチの演奏を聴いた事があります。ベルフィルとのチャイコン。ゴールウェイとのプロコのCDの印象もそうですが、この映画でアルゲリッチのイメージが変わりました。以前は、他が追随できないほどのパッションが迸っていたように思います。…現在は肺癌を患っている、とのこと。関係があるかは分かりませんし、良いか悪いかということでなく、彼女の「今の」演奏が好きです。挿入曲のプ―ランクやラヴェル、哀しくて美しかった…。

『アルゲリッチ、私こそ、音楽』 trailer



「神田寛明 フルートリサイタル」

神田さんはスラっと背が高く、後ろ半身がバチっと決まっています。立ち姿が美しいだけでなく、結果胸も開いて、フルーティストの体なのだなぁと。



今日は頭が疲れていたので、チャップリンのエターナリー(ライム・ライト)が、素直に沁み渡りました。生徒さんとも是非やってみたい1曲です。Tさん、いかがでしょう♪

Eternally プラシド・ドミンゴ

Eternally サラ・ヴォーン



本当はこんなに素晴らしい演目の数々は、少し時間をおいて見聞したかったのですが、これもタイミング。ゆっくりと心と頭に行き渡らせたいと思います。

しかしブログなのに、1枚の写真も撮っていない…。地味ブログですみませんねぇ。



皆さんはどんな秋を過されていますか?

2014年10月3日金曜日

アンビヴァレント

このブログは、一義的には生徒さん達との交流や、情報発信のためにと思い始めてみましたが、気が付くと私自身の趣味ブログの体になってきたような…?

素敵な動画がありましたので、ご紹介します。

『シネマ パラダイス』~ニュー・シネマ・パラダイスより 
エンリコ・モリコーネ:音楽
Yo-Yo Ma:チェロ
Chris Botti:トランペット



この映画やモリコーネの音楽の素晴らしさは、私が語るに及びません。

ヨーヨー・マはクラシック界の、クリス・ボッティはジャズ界のスーパースター。2人の音楽はあまりに違うのに、この曲の中では1つの世界、1つの宇宙を成しています。

「甘美さと孤独」「哀しみの中にある光」「渇いた愛」「静けさの中のパッション」・・・そんな相反する感情を、同時に感じるのです。Ambivalent(アンビヴァレント)-そんな風に言うそうです。

私は音楽に限らず、そのような世界観にとても惹かれます。


…それにしてもクリス・ボッティのサウンドは、伸びが合って柔らかく、渇いているのに甘い…。(どんだけ言うんでしょう!)

彼のインタビューの中で、「体の中に響きを見つける」「朝起きてヨガをするように、毎日のルーティンワークとして音作りの練習を欠かさない」「音作りの練習では、筋肉の使い方の記憶を耳を通して行う」、というような事を言っています。ストイックなミュージシャンのようですが、私たちにも大いに参考になる発想だと思います。


…そんなクリス・ボッティが、近々来日すると言う情報が。

2014年10月17(金)/18日(土) 大阪ビルボード
2014年10月20(月)/21日(火) 東京ビルボード

情報だけでもワクワクします。


ちなみに、この『ニュー・シネマ・パラダイス』は、フルートでも楽譜が出ています。とても素敵な曲なので、興味のある生徒さんは声をかけて下さいね。


2014年9月29日月曜日

鷹野雅史 エレクトーンコンサート - so much fun!


楽器店に勤める生徒のAちゃんに誘われて、普段足を運ぶ機会のないジャンルのコンサートへ。

そ・れ・が

鷹野雅史(Max Takano)さんによるエレクトーンのコンサート。

Play on Passion '14
2014.9.28. / 岐阜県大垣市

【プログラム】

♪Field View
♪Spain
♪ラメント
♪STAGEAの名による序曲
♪ラプソディ イン ブルー
♪チェロキー
♪結
♪ハリー・ポッター
♪パイレーツ・オブ・カリビアン
♪アラジンより
♪レ・ミゼラブル
♪アナと雪の女王より  ~アンコール~

楽しかった~♪ 大好きなチック・コリアの『Spain』でキレの良いリズムに釘づけになり、『STAGEAの名による序曲』はSTAGEAを階名(♭ミシラソ~ミラ~)読みをして、そのモチーフが展開されたカッコ良いオリジナル曲でした。バッハやシューマンみたいなアイデアですね。




鷹野さんはオーケストラの多重多彩なトータルサウンドを作り上げるのが、とてもお得意のようです。後半は映画やミュージカル音楽でしたが、音楽が目の前に立ち上るようでした。そして圧巻のレミゼ!

現在のSTAGEA(ステジア)は、なんと1400種類の音色が可能なのだとか。古今東西の楽器だけでなく、人の声(どうやらしゃべることもできるらしい)やコーラス、自然界の音や動物の鳴き声など、効果音の要素も多彩なようです。鷹野さんはステジアを開発されたお一人だと聞きました。楽器の事、知り尽くしておられるんですね。

フルートという1つの楽器を深めていくのも道なのでしょう。しかしSTAGEAは、各楽器の奏法や様々な音楽的スタイルを知り、ステジアの無限の機能を知りつくし、それらを自在に統合していく、本当に素晴らしい楽器だということを改めて知りました。とても羨ましくもありました!

それにしても、鷹野さんのフットワークは特筆もの。足ペダルの機能が向上したために、曲によっては手で弾くようなレガート感が必要とされるようです。足のグリッサンド(音を滑らすように流れるように演奏する奏法)、美しかったです。

実は、エレクトーンは人間と機械のやっている境界が曖昧だから・・・なんて思っていたのです。つまり、大変な事は機械がやってくれるんでしょっていう。でも改めて、鷹野さんのような圧倒的な音楽的ビジョンあっての楽器、ということがよく分かりました。

フルートは旋律楽器ですから、音楽全体を立体的に見渡すことがとても大切ですね。伴奏のパートも自分の音楽の一部。日頃から、フルート以外の音楽(室内楽やオーケストラ、ピアノ等)にも親しむと良いでしょう。



もともと母がエレクトーンを教えていて、子供の頃は松田昌さんのサマータイム(特にベースライン)にシビレたりしてたなぁ。(その音源Youtubeで探してみたらありました!しかもカセットでw 80年代っぽい♪)

鷹野さん、ドイツ帰りだと仰っていました。ミュンヘン郊外の Bad Aibling で、『Das Tastenfestival (=鍵盤の祭典)』というイベントに招待されていらしたとか。ドイツでは、エレクトーンは年配の方に好まれる事が多いようです。ドイツ人は電気音をあまり好まないように思いますが、日本の楽器として認知されると良いですね。

【関連記事】
伝わる、ということ http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/04/blog-post_5.html

2014年9月25日木曜日

アンドラーシュ アドリアン フルート公開講座&リサイタル

秋ですね。庭には金木犀が香るようになりました。

本格的なコンサートシーズンに入り、行きたいコンサートが続きます。このブログでは、私好みの(又はこれは聴いておかねば、という)コンサートを、ピックアップしてご紹介しています。

アンドラーシュ・アドリアン フルート公開講座
2014年10月21日(火)開演18:00
会場 / ドルチェ・アートホール Nagoya (ドルチェ楽器名古屋店1F)

アンドラーシュ・アドリアン フルートリサイタル~我が祖国より~
2014年10月22日(水)開演19:00
会場 / ドルチェ・アートホール Nagoya (ドルチェ楽器名古屋店1F)

【プログラム】
C.P.E.バッハ:ソナタ ハ長調 Wq.149
Fr.クーラウ:グランドデュオ ト短調 op.33
B.バルトーク:ハンガリー農民組曲
L.ベートーヴェン:セレナーデ ニ長調 op.8
A.ドラティ:デュオコンチェルタンテ
J.アンデルセン:ナショナル・ファンタジー「ハンガリー人」 op.56 no.6




アドリアンさんは、ハンガリー生まれのデンマーク育ち。現在はドイツのミュンヒェン在住です。(国籍はデンマーク)

コスモポリタンな彼が、現在はどんな風に祖国ハンガリーを思っているのだろう?と、興味を掻き立てられるプログラムです。


・・・実は、私がフルートに憧れたきっかけは、子供の頃テレビで聴いたアドリアンでした。小学生の頃でしたが、当時NHKで放映していた『徹子と気まぐれコンチェルト』(→いつもマスコット的なでっかいカワイイ犬が一緒に出てた)という音楽番組に、アドリアンさんが出演され、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルトを、フルートで演奏されたのです。

その音があまりに輝かしく、同時に愁いのあるもので、今でも忘れていない事に驚きます。その番組が、私の明確なフルートとの出会いでした。

数年前、浜松にアドリアンさんのレッスンを聴講しに行ったことがあります。リアル・アドリアン(笑)にドキドキしてしまい、声をかける事もできないまま帰ってきましたが、知性や理性、そして何よりも音楽や人間に対する愛情や誠実さを感じる事ができ、心に残りました。プレーヤーとして優れているだけなく、とても良い先生なんだろうと思います。

残念ながら、リサイタルの方はレッスンやリハーサルの都合でうかがえません。公開講座の方を聴講するつもりでいます。

それにしても徹子さんの番組に出てたあのでっかいワンちゃん、何ていうんだっけな…。


【関連記事】

フルート教室のご案内 http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page.html


2014年9月23日火曜日

PECHE

毎年の発表会に、ちょっとしたスイーツを準備します。ほんの心ばかりですが、「おつかれさまでした」、という気持ちを込めています。音楽をして疲れていてはもともこもないのですが、そうは言っても発表会はいつもと違ったエネルギーが必要ですもんね。

スイーツ探しに関しては玄人はだしの友人が2人ほどおり、昨年も今年も、オススメを紹介してもらいました。生徒さんの中にもご存知の方が。

昨年はパパブブレのキャンディーを取り寄せ、今年は岐阜市光栄町にあるPECHE(ペーシュ)というお店でお世話になりました。

http://blog.goo.ne.jp/tyokore-to007/e/009d155962d431f18fc23c6f695f5020 より拝借

パティシエさんは産休明けで、お仕事を再開されたばかりのご様子。ホロホロとするようなやさしい食感のクッキー。コクがあるのに軽やかなのも、私好みです。

食べログより

あわせて頂いた「レモンとホワイトチョコのタルト」も、美味しかった~♪

PECHE (ペーシュ)
岐阜県岐阜市光栄町2-7


2014年9月21日日曜日

フルート アンサンブル (中級以上向け)

フルートの会 Klang では、岐阜県瑞穂市近郊でアンサンブルレッスンも行っています。

現在のグループはまだ1つ。中級~上級者向けのレッスンかと思いますが、アンサンブルとしては、まだまだヒヨッコです。20-60代と年齢層が幅広いのが特徴…?かな。それでも皆さん反応が良く、レッスン中はどちらかと言うとシャキッとした雰囲気です。(レッスン前後のおしゃべりタイムは、その限りではありません♪)

フルートは単旋律の楽器ですから、誰かと合奏する喜びはひとしおです。このクラスのレッスンでは、ただ一緒に吹くだけでなく、ハーモニーを整えたり、音楽的連携を図ったり、「こんな風に吹けたら良いよね」という気持ちを共有しています。やはりアンサンブルは「聴く」ことですよね。それによって相手とはじめて繋がれます。

何も特別な事ではなく、数多あるアマチュアのコーラスグループも、多かれ少なかれ同じような方を目指しているのではないでしょうか。実は、私の持っているフルートアンサンブルのイメージは、「フルート クワイヤー」と言って良いかもしれません。(クラリネットクワイヤーを検索するとたくさん出てくるのに、フルートクワイヤーはほぼないんですね…)フルートの音域は女性の声にとても近いですよね。コーラスのように共鳴し合いながら、コーラスよりも軽やかに、仲間と吹ける喜びを分かち合いたいなぁ、ということです。

時には、外に出ていって、お客さんの前で演奏させて頂くこともあります。以前、きたやまおさむさん(精神科医であり、元フォク・クルセダーズ=「あの素晴らしい愛をもう一度」を作詞された方)の講演の前座で演奏させて頂けた事は、恐れ多くも想い出に残る経験でした。また岐阜のランドマーク(?笑)である、シティタワー43のアトリウムでの演奏も、お客さんにたくさんの笑顔が見られ温かいお言葉を頂きました。フルートのサウンドに適した素晴らしいアトリウムです。

フルート経験者の方で、ご興味がある方は、ぜひ一度このアンサンブルクラスに見学にいらして頂くか、 klangjapan@gmail.com までお問い合わせください。どうぞお気軽に♪


【練習場所】
岐阜県瑞穂市近郊

【練習時間】
金曜日 (月2回)19:30-21:00


フルートを始めたのだけど、一緒に演奏できる、同じような仲間がいないかしら?とお探しの方。アンサンブルの初級~中級クラスを立ち上げようと思います。もうすぐお知らせできると思いますが、待ちきれん!という方は klangjapan@gmail までお問い合わせください。

【関連記事】

「葉っぱのフレディ」プロジェクト http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/06/blog-post_12.html

なぜ合奏は「合う」のだろう? http://klangjapan467.blogspot.jp/2015/09/blog-post_13.html

フルート教室のご案内 http://klangjapan467.blogspot.jp/p/blog-page.html

2014年9月15日月曜日

神田寛明さんのフルートリサイタル

NHK交響楽団 首席フルート奏者、神田寛明さんの演奏が名古屋のドルチェ楽器で聴けるようです。ピアノ伴奏は與口理恵さん。

http://www.dolce.co.jp/concert/nagoya/concert-nagoya.html


神田さんのお姿は、日曜の夜「クラシック音楽館」(←番組名はあれこれ変わりますが)でお見かけしたことがあるでしょう。

今回は「神田寛明の、USA」と題した、アメリカンなプログラムです。

【プログラム】
バートン:ソナチネ
ジョプリン:ザ・フェイヴァリット
ガーシュウィン:プレリュード第1番
チャップリン:エターナリー(ライム・ライト) 
デスモンド:テイク・ファイヴ
バーンスタイン:ウエスト・サイド・ストーリーより
リーバーマン:ソナタ

バートンやリーバーマンなど、私自身、今まで音大生の公開レッスンでしか聴いたことがありません。かなり玄人さん向きですが、日本フルート界の先鋒、神田さんの選曲=感性はどんなかしら?という視点で聴かせて頂きたいと思います。

曲を聴く際の手掛かりとなるよう、一部ガイドを載せておきますね。(ムラマツHPより)

バートン:
http://www.muramatsuflute.com/shop/g/gG5127/

リーバーマン:ソナタ Op.23
http://www.muramatsuflute.com/shop/g/gG16746/

それ以外の曲は、ライム・ライト、テイク・ファイブ、ウェスト・サイド・ストーリーなどの、ミュージカルやジャズのナンバー。躊躇なく楽しめることでしょう!こちらは編曲が楽しみです。

2014年10月5日(日) 開演 17:00
ドルチェ楽器 名古屋店 050-5807-3564 1F ドルチェ・アートホール NAGOYA
愛知県名古屋市中区栄2-2-35 (地下鉄伏見駅4番出口)
一般 3000円 (各種会員割引あり。直接お問い合わせください。)



2014年9月14日日曜日

サラマンカホール 開館20周年 サテライトコンサート

岐阜県が誇るサラマンカホールで、20周年のガラコンサートが行われます。

1994年には、親しくさせて頂いている在ベルリンのピアニスト、富田紀子先生がベルリンフィルのメンバーと共に、オープニングを飾りました。

20周年のガラコンサートは、2014年11月29日(土)。説明の要らない豪華なメンバーです。


…が、現在の時点で、全席完売
でも!この事業にはすんばらしい別企画があること、ご存知でしたか?

【開館20周年記念サテライトコンサート】 11月30日(日)

◆古川展生チェロ ロビーコンサート
場所/岐阜県美術館 多目的ホール 13:30~14:10[無料]
出演/古川展生(チェロ)
主催:サラマンカホール  共催:岐阜県美術館 お問合せ:岐阜県美術館 TEL.058-271-1313
◆荘村清志・高木綾子 公開レッスン&ミニコンサート
場所/大垣市スイトピアセンター・スイトピアホール 13:30~15:15[無料]
出演/荘村清志(ギター) 高木綾子(フルート)
主催:サラマンカホール 共催:公益財団法人 大垣市文化事業団 
お問合せ:(公財)大垣市文化事業団 事業課 TEL.0584-82-2310

どちらも行きたい!けど、同時刻開催なんですね。ならば公開レッスンとミニコンサート、2本立ての方へ。

サテライトコンサートは、どちらも無料開催です。
要申し込み、100名限定。

申し込み先・・・大垣市文化事業団 TEL 0584-82-2310

ちなみに公開レッスンは 13:30-14:30 (各楽器2名)
ミニコンサートは 14:45-15:15

ということです。申し込み、急げ!







2014年9月13日土曜日

朴葵姫さんのギターリサイタル

ツイッターなどで気になっていた、朴葵姫(パク キュヒ)さんのギターリサイタルに行ってきました。⇒http://columbia.jp/kyuhee/index.html (公式HP)
会場は、大垣市スイトピアセンター音楽堂。

俗世の刺激に慣れきった耳には、始まりの第一音があまりに繊細でした。演奏会では当たり前の行為ですが、この音量だと更に耳を研ぎ澄ます必要があり、注意力を喚起されます。

誠実で抒情的な、女性らしい演奏でした。素晴らしかったです。描写の多様さは、ヴァイオリンなら弓でするように、彼女の右手がもっと自由に羽ばたく時が来るように感じました。

それにしても、今日はお客さんのスジがいつもと違いまして。男性が5割...強。葵姫さんが美しいこともありますが、クラシックギターの裾野って、とても広いようでした。

【プログラム】

D.スカルラッティ:ソナタK32、K178、K14
F.ソル:魔笛の主題による変奏曲 作品9
A.バリオス:フリア・フロリーダ、ワルツ第3番、大聖堂、最後のトレモロ

タレガ:アルハンブラの想い出
H.ヴィラ=ロボス:5つのプレリュードより 第2番、ショーロス 第1番、12の練習曲集より 第12番
E.ジスモンチ:水とワイン、パリアソA.ヒナステラ:ギター・ソナタ 作品47 (←猫パンチ奏法あり)

Youtubeに、私の好きなバリオスの『最後のトレモロ』がありましたので、貼っておきます。




クラシックギターは、ドイツで武満徹について卒論(今思い返せば、語学の壁と締め切りに追われ、支離滅裂だった…)を書いていた時、彼の素敵なギター曲に出会ったのがきっかけ。いわゆるタケミツサウンドと水墨画の余白のような緊張感に惹かれました。

入門編でオススメなのが、『ギターのための12の歌』。ビートルズや日本の唱歌など、聴きやすい曲が秀逸な編曲で親しまれています。その中の 「ミッシェル」 私は好きです。